市川に貸した漫画の続きを終業日に持ってくる…という約束を忘れてしまった…という体で翌日(冬休み初日。12月24日)渡す約束を(強引に)取り付けた山田。
待ち合わせ場所は何故か渋谷。漫画渡すだけなのに?
14時くらいの待ち合わせ…のはずが現在13時31分。
べ、別にウキウキしているわけじゃない。場所の確認もしておきたかったし…で顔をあげると視界の先に山田。
いつものDEATHなファッションの市川と、気合の入ったお洒落ファッションなのに立ちコロッケ喰いしている山田。
『人、多いな』
『年末だからね』
《違う…クリスマス・イヴだからだろ…》
いつものふたりの特別な1日。
「僕の心のヤバイ奴/第10話・僕らはゆっくり歩いた」(2023年6月3日深夜テレビ朝日放送/大久保亮、福井洋平演出)
山田が最初に向かった先は行列の出来るパンケーキ屋さん。お店は地下。下りの階段に下が山田、上が市川。
『ねえ知ってる? 初デートでテーマパーク行っちゃ駄目って』
『なんで?』
『待ち時間長いでしょ。気まずくなって関係が悪くなるんだって。でも、全然そんな事ないね!』
山田、完全にクリスマスデートのつもりだな。
何かで階段やエスカレーターでは男が下と聞きかじっていた市川が山田の前に出ようとすると、
『あ、駄目駄目、嫌だ!』
体を張って通行阻止。上り下りに関わらず「男が下」というのは何かの拍子に女の子が転倒してしまった時に支えたり、他人にスカートの中を覗き見られないように、という配慮がなせる技のようですが、そんな世間のマナーなぞ山田の知ったこっちゃありません。
ただでさえ身長差がある所にヒールまで履いている山田。市川と目線を合わせたり見上げたりするためには何が何でも市川が上でなければなりません。
普段は絶対にない「見おろす」角度の市川の目に入ったのは山田のちょっと凝った髪型。
自分は不器用だからママに編んでもらったらしい。3者面談の時に見た山田ママは厳しそうな印象だったのでちと意外。
『外ではそうかも。でも家じゃ全然甘いよ。私の事、ちゃん付けで呼ぶし』
『それはかわいいな』
何気ない一言でしたが、
『市川…かわいいって言うんだ』
自分には言ってくれないのに。ママには言うんだ。
人生、どこに地雷が埋まっているか分かりません。
ちょいおこな山田さんですが、メニュー見てマッハご機嫌回復(しかし、中学生にはちとお高い)。
市川に撮って貰った(ほとんどフードファイトな)動画は、ネットには上げず。
『市川に全部あげる』
携帯に送られてきた動画。つい、見入ってしまったら、
『実物も…見て』
アゴクイって完全にヒロインポジです市川君。
カフェを出たらショッピング。市川にかわいいと言わせたい服選びですが、プロのモデルが厨二にファッションについて聞くのはやめてあげて。
試着の最中に市川の姉が来店。
『あ、姉が…』
『あ、挨拶は…』
『い…今じゃない!』
そのまま市川の手を引いて試着室に(ラブコメかよ!? はい、ラブコメです)。
『ね、さっきの「今じゃない」ってどういう意味?いつならいい?』
姉の功名(笑)。
自分の行きたい所にばかり付き合わせてごめんね、と謝る山田に自分の性格を説明した上で『楽しかった…んだと思う』と伝える市川。
それが嘘偽りない本心だとすぐに理解する山田。理由は市川の一人称。
『わかる。だって「僕」って言った。自分の事』
真実の口のご褒美はマフラー。街はイルミネーション。
『綺麗!観たかったんだぁ今日』
『初めて見た』
『嘘!?』
(嘘。イルミネーションがこんなに綺麗だなんて初めて知った)
帰路。満員電車で短期近距離生き別れになった二人ですが、手の感触を探って握って。
そのまま離すきっかけが掴めずつないだまま家路。
(僕らはゆっくり、ゆっくり歩いた)
別れ際の市川の挨拶「良いお年を」は山田がカット。
『25、26、27、28…まだもう少しあるよ。だから…今はまだ』
年が明ける前にきっとまた会う。だからその台詞は「今じゃない」。
クリスマスデート回は多々ありますが、その可愛さと尊さにおいて高木さんと肩を並べる名作回であったと思います。
★ご参考~メリークリスマス!
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★本日6月5日は「落語の日」&「寄席の日」(6月第1月曜日)
「落語の日」は「らく(ろく=6)ご(5)」(落語)と読む語呂合わせで、落語家の春風亭正朝(しゅんぷうてい しょうちょう)が制定したとされています。
落語家なんだからもちっと上手い事言えよ、と思わなくもないですが、今年は6月5日と別途制定された「寄席の日」の6月第1月曜日が綺麗に重なる惑星直列年。
落語の映画と言えば「の・ようなもの」ですが、本日はその後日譚を。