『俺の資料読んでないな?』
『何故そう思う?』
『明日の予定を立てている』
俺はクイン・マッケンナ。
カウンタースナイパーで特殊工作隊員。5大陸の危険地帯で作戦を指揮して13名を殺害した。大尉では14人しかいない殊勲賞と銀星章の受章者だ。
その俺の前で明日の予定を語るとは。お前らに明日は来ない。
「ザ・プレデター」(2018年/シェーン・ブラック監督)
以前、予告映像をご紹介したきりほったらかしになっておりました本編をようやく。
本編観て分かりましたが、あの予告編、ミスリードだったんですね。
子どもがプレデターの装備品いぢるシーンと宇宙船が不時着するシーンをカットバックしているので、あたかも子供のいたずらが災厄を招いたみたいに見えたのですが、全然関連のないカットでした。
当初、本作は『プレデター』のリブート版として構想されていたそうですが、過去3作(残念無双だった「プレデターズ」含む)と時間軸を一にする「続編」となりました(順番は「オリジナル」「2」の後で「プレデターズ」の前)。
過去に2回(1987年と1997年)、異星人の襲撃を受け、その存在について研究が進んでいる現在。
プレデターという呼称が正式に使われた最初の作品。
PREDATORという単語がでるたびに「捕食者じゃないだろ。ハンターだろ」というツッコミが入りますが、
『でもプレデターの方がクールだろ?(Predator's cooler, right?)』
まあ、確かに。少なくとも「bass fisherman」よりはいいと思います。
お話は、メキシコで仲間と共に麻薬組織の暗殺作戦を遂行中だったアメリカ陸軍特殊部隊のスナイパー、クイン・マッケンナ(ボイド・ホルブルック)の頭上に宇宙船が墜落してくるところから。
宇宙船に乗っていた異星人(プレデター)にマッケンナの仲間は次々屠られて行きますが、マッケンナは宇宙船から回収した彼らの武器(ガントレット)を使って逆襲。
証拠品としてマスクとガントレットを自宅の私書箱に送りますが、私書箱は利用料金未納で閉鎖。荷物は自宅に運ばれ天才的な記憶能力を持つ発達障害の息子ローリーが受領。
プレデター飛来の事実を隠蔽したい政府は、マッケンナが狂って仲間を殺したことにして閉鎖施設送りに。
護送車の中には「訳あり」な面々(色々あって戦場では使い物にならなくなった兵士5名)が。
一方、マッケンナと交戦したプレデターは研究施設に運ばれ、麻酔で眠らされておりましたが、突如覚醒。
研究員ささらもさらにして脱走。研究所に招聘された進化生物学を専攻する科学者ケイシー・ブランケット博士(オリヴィア・マン)が成り行きで追撃。
これを目撃したマッケンナと訳ありソルジャーズが成り行きでこれを援護。
プレデターの目的が息子に送ったマスクとガントレットにあることを知ったマッケンナらは一路、ローリーの元へ。その後を目撃者全員消して情報操作したい国の特殊部隊スターゲイザーが…。
更にその後には、プレデターを屠る超大型プレデターがひたひたと…。
というのが序盤~中盤の流れ。
息子ローリーが所謂クソガキではなかったので、子供にストレスを感じずに済みました(発達障害が進化の途上という考えには頷いて良いものか逡巡してしまいましたが…)。
また、本作には他にはない極めて珍しいシーンがあります。それはプレデターの地球上の武器使用場面。
研究施設で捕縛されていたプレデターが覚醒した際、兵士の武器を奪って使用しています。
使ったのはSIGのSG552。
スイスのシグ社(現スイス・アームズ社)により開発された特殊部隊向けアサルトライフルです。
元々コンパクト化を狙ったものですが、プレデターが持つとほとんどハンドガン(笑)。
さて、本作で監督がこだわったのは暴力描写のようです。
『プレデターが暴力的なことをするたびにカットされるのは嫌なんだ。日本版『呪怨』では怖かったシーンが、PG-13のアメリカ版ではすべてカットされていたことに、とてもイライラしたのを覚えている。
PG-13は女々しい奴のためのものだ。And, just to be clear... PG-13 is for pussies』
(シェーン・ブラック監督)
英語の表現はストレートだなぁ。
※因みにこの「pussy」という単語、劇中でも使われておりました。お仲間兵士がブランケット博士に向かって何気なく(?)発するのですが、言われた博士が目の色変えて『今何て!?』『侮辱された』と大騒ぎ。女性の(特に英語圏女性の)前では決して口にしないよう気をつけましょう。
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