
『私が何を訊いたか覚えているかい?』
『最初に会った時? ああ覚えている。あんたは俺が善い人か悪い人かと訊いた』
『そして君は《分からない(I Don’t know)》と答えた』
『…分からないんだ』
『善い人はそう答える(Only A Goodman Would Have Said That.)』
両腕に助さん格さん、両足に弥七と飛猿を埋め込んだひとり世直しご老公、今回の旅の目的地はイタリア。
「イコライザー THE FINAL」(2023年/アントーン・フークア監督)
邦題は「THE FINAL」となっていますが、原題はシンプルに「THE EQUALIZER 3」。
必ずしも最終章という訳ではなく、フークア監督も「デンゼルが望むなら続編や前日譚を撮ることがあるかもしれない」と言っています。
とある目的でシチリア島のワイナリーを訪れたロバート・マッコール(デンゼル・ワシントン)。
ワイナリーの経営者がやってきた時、施設の中は血糊と死体の立体曼荼羅。
殺ったのは勿論マッコール。彼には「お目当て」がありましたが、ワイナリーには「それ以外」のものも…。

『9秒だ。その間に己の運命を選べ』
目的果たして(全員屠ってお目当て入手して)ワイナリーを後にしたマッコールですが、経営者が連れて来ていた孫に背中を撃たれる大失態。

何とか車に乗ってフェリーに突っ込み、島の対岸までは辿り着きましたが力尽きて昏睡。
助けたのは国家憲兵(カラビニエリ。陸軍、海軍、空軍と並んでイタリア軍を構成する4軍のひとつ。平時はイタリア警察機構の一部として警察活動を行う)のジオ。
ジオはマッコールを町の赤ひげエンゾの元へ。銃創と知りつつ深く追求せず「彼は転んだだけ」と言って治療するエンゾ。
『さて、ジオが助けたのは善い人か? それとも悪い人か?』

歩けるようになったマッコールは町の広場へ。
最初はよそ者に対する奇異と敵意の視線を感じたものの、いつしか打ち解け受け入れられ、人も町も好きになっていくマッコール。
一方でシチリア島のワイナリーで見た「あるもの」に関する情報をCIAへ。
マッコールがピンポイントで選んだ「相棒」はデスクキャリア2年で現場経験のない財務分析課の捜査官エマ・コリンズ(ダコタ・ファニング!)。

シチリア島に向かったエマはワイナリーで転がり放題転がっている死体とテロリストに流れている違法薬物と山積みの紙幣を発見。
マッコールの所在もあっさり特定してご対面。あれこれヒントを与えて捜査を牽引するマッコール。
エマが抱く当然の疑問。何故私を選んだの?
町にはマフィアの威を借るチンピラやくざがみかじめを。それはエスカレートして町ぐるみの地上げに発展。ついには犠牲者が。
裏には警察も抱き込んで町のリゾート化を図るナポリを拠点とするマフィア、ビンセント・クアランタが(みかじめ回収をしていたのは弟のマルコとその子分)。
マルコの暴力がジオとその家族に及んだ時、マッコールの殺人機械モードがスイッチ・オン。
日本人にはお馴染みすぎる展開。《流れ者が一宿一飯の恩義を返す》。
高倉健と化したマッコールですが、行動には大きな特徴が。
それは《溜めを作らない》。
喧嘩を売ったら相手が仕返しの準備をする前に皆殺し。明日来ると言うなら今夜殺る。
年齢のせいか派手なアクションはありませんが、その分タイパ抜群な省エネ殺法。手際の良さが光ります。
教会の祭事と同時並行で描かれる最後の仕置きはさながら「ゴッドファーザーPart2」。

色々と突っ込みたい所はありますが、マッコールが終の棲家としてもいいくらいの癒しの園を見つけて守る任侠と人情のお話と割り切れば十分に楽しめます。
あのラストシーンは編集段階で修正された(本来はラストシーン用のカットではなかった)ものらしいですが、見事な当て込みであったと思います。

情報提供した際、CIA側でも分かった事は報告すると答えるエマが出した交換条件。
『そしたら答えてね。何故私を選んだのかを(Then You Can Answer My Question:Why Me?)』
その答えは事件解決後のエピローグで。
いやはや、出来過ぎだ。
おまけ
立ち喰いでパスタを啜る下っ端マフィア。やたらと美味そうなので鑑賞後パスタ茹でてしまいました。

★前作までの復習はこちら。
★ご参考
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