『いい夜だな。できれば1人も欠けて欲しくない』
相模原討伐作戦の慰労会。
レノ、伊春が退院して、カフカが防衛隊正隊員に昇格した夜。
憩いと賑わいと喧噪と。
凪は嵐のプレリュード。
「怪獣8号/第8話・防衛隊へようこそ」(2024年6月1日テレビ東京放送/奥野治男演出)
相模原討伐作戦の裏舞台。怪獣9号は討ち漏らしたものの、レノ・伊春の救出には成功したカフカ。
不在がバレる前に本隊帰還を目指すカフカの前に現れた防衛隊第3部隊副隊長・保科宗四郎。
小型中型怪獣が相手なら隊長のレナより「分のある」男。その動きは立体機動装置不要のリヴァイ。速すぎる。
(これはもう…人間の動きじゃねえ!)
副隊長に拳を向けるわけにはいかないが、遠慮も躊躇も命取り。喰らえば終わるサドンデス。
切り刻んで核の所在を確認した保科は二連撃を囮にした三連撃「霞討ち」を仕掛けてきましたが、これはカフカの「誘い受け」。
保科の刃をがっちり掴んだ(傷口に生えた歯で噛み押さえた)カフカは渾身の一撃で保科…ではなくその武器を粉砕して瞬間離脱。
『報告…怪獣8号…逃亡』
一方、本獣・余獣掃討後の現場整理に当たっていたキコル。このままカフカを信じていいのか悩み黄昏ておりましたが…。
カフカが戻ってきたらこの表情。
『すまん。心配かけた』
『はぁ!? 心配なんかしてないし!』
『悪い…逃がしちまった。お前を痛めつけた奴…』
『わ、わたしは別にいいわよ。自分で殺すから』
こちらはツンデレ二連撃。かわす体力はありません。
病院に収容されたレノを見舞ったカフカとキコル。覚醒したレノが隣に伊春が寝ていることに気づかずカフカに救出の礼を言ったり、伊春の8号賛辞(すげーカッコ良かった)にカフカがテレたりと駄目駄目な対応でしたがキコルのフォローで何とか誤魔化せました。
キコルのパンチはご褒美です。
レノ・伊春の退院を待って催された慰労会は罵声と拳で親密度を深め合う大宴会。
幹事を任されたのは出雲ハルイチ。東京討伐大学首席卒業の肩書を持っていることは入隊テストの時に明かされておりましたが、今回彼は防衛隊のスーツを始めとした対怪獣兵器の国内最大メーカー、出雲テクノロジーズ(原作では出雲テック)の御曹司であることが判明。
ついでに、父親との間に何らかの確執があることも。二人の関係を憂いているのが慰労会の会場となった高級料亭の料理長・堂島。
店が出雲テクノロジーズの直営もしくは堂島が出雲家と深いつながりがあるのではないかと思われますが、この関係性って、警察にレイバーを納品している業界大手・篠原重工の御曹司でありながら特車二課に送り込まれた篠原遊馬と、遊馬と社長の不仲を憂いている工場長・実山という図式とよく似ています。
この席上で保科から発表されたカフカの正隊員昇格。その喜びは会場全体に伝播して歓喜の胴上げ。
その光景を目を細めて見ているのはハルイチの喧嘩仲間・神楽木 葵(かぐらぎ あおい)。
『いい夜だな。できれば1人も欠けて欲しくない』
『…ああ、そうだな』
その願いをあざ笑うような巨大な黒い影が立川基地の上空に…。
『降下…開始』
次回から「立川基地襲撃」編。
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