デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

【欧州のユダヤ人問題を】ヒトラーのための虐殺会議【総合的に解決せよ!】

『まるで職場の飲み会だ。互いに腹を探り合う。ビール無しで』

1942年1月20日。ベルリンのヴァン湖(Wannsee)畔にある親衛隊保有の邸宅に15名のナチス高官が集結しました。

招集をかけたのはゲーリング国家元帥。

ゲーリングの依頼事項は『組織面・実務面・物資面で必要な準備を全て行い、欧州のユダヤ人問題を総合的に解決せよ。ユダヤ人問題の最終解決を実施せよ』

依頼ではなく完全に命令ですね。

最終解決とは?

ドイツ国内のみならず、ウラル山脈に至る欧州全域に存在するユダヤ人1,100万人を根絶やしにすること。

ヒトラーのための虐殺会議」(2022年/マッティ・ゲショネック監督)

所謂「ヴァンゼー会議」を出席者の一人であるアドルフ・アイヒマン(国家保安本部第IV局第IV部ユダヤ人担当課長及び記録室室長)が作成した議事録を基に再現。

アドルフ・アイヒマン👇。左隣は速記のインゲブルク・ヴェルレマン。


会議を仕切ったのは、国家保安本部の事実上の長官職にあるラインハルト・ハイドリヒ親衛隊大将。

ラインハルト・ハイドリヒ👇。右隣は国家保安本部第IV局(ゲシュタポ)局長・ハインリヒ・ミューラー。


出席者の所属は、国家保安本部、ポーランド保安警察ポーランド総督府、東部占領地省、司法省、内務省、外務省などなど。

全編ひたすら会議。そこだけ見れば「12人の怒れる男」「東京原発(の前半)」と同じ箱になりますが、エンタメ要素が微塵もない所が大きく異なります。

議論は時に白熱しますが、それは議題に関する疑義ではなく、方法論に関する意見(と言うか利権主張)。

これ以上ユダヤ人を送り込まれても…。現状の輸送手段には限界が…。法務省が制定した法律に反するのでは…。休むことなくユダヤ人を殺しづける事に対する若きドイツ兵のメンタルは(殺すのにも金と時間が掛かる。最低でも1100万発の弾が…)…。

道義的・倫理的な問題には誰一人踏み込まず、いやそもそもそんな発想自体存在せず。

ユダヤ人根絶は与件。

会議は現場と役所と学者の駆け引き。如何に関係省庁を連携させ(話をややこしくしそうな奴を懐柔し)、計画をスムーズに進行させられるかが、議長ラインハルトの使命にして腕の見せ所。

場所の確保は進んでいる。ポーランド南部のアウシュビッツという村だ。効率的な方法も研究している。ガスだ。

この90分の会合で、ユダヤ人600万人の命運が決まりました。

★ご参考~議論する邦画4選。

mandarabatake.hatenablog.com

 

 

 

ランキング投票です。速記のお姉さんいいな、と思った方はワンポチを。

 

 

★本日のTV放送❶【13:00~NHK BS/プレミアムシネマ】

★本日のTV放送❷【13:40~テレビ東京午後のロードショー