デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

【捕らわれし者の焦燥と】怪獣8号 #11【待ち続ける者の決意】

『ひとつ教えておいてやろう。生身で弾丸を受け止める生物をこの世界では人間とは呼ばないのだ。怪獣8号』

『俺は怪獣8号じゃない。日比野カフカだ』


名前が示す命の分かれ目。

だから名乗る。日比野カフカと。

「怪獣8号/第11話・捕らわれた怪獣8号」(2024年6月22日テレビ東京放送/種村綾鷹演出)

超大型余獣爆弾の直撃(=立川基地もろとも部隊全滅)を防ぐため隊員の前で怪獣8号に変身した日比野カフカ

基地は救われましたが、自身は拘束。

お偉いさん(トップは四ノ宮キコルの父、日本防衛隊長官・四ノ宮 功)の引き渡し命令により防衛隊有明りんかい基地へ。

仲間を裏切った悔恨に顔を上げられないカフカにレノが

『戻ってくるって信じてますから』

移送車に乗り込んだカフカにミナが

『第3部隊に君を敵だと思っている奴なんて一人もいないよ』


『俺はまだ…お前の隣目指していいのかな』

『…うん。ずっと待ってる』


今回はカフカを思う同僚の存在が(原作以上に)強調されたエピでした。

走り去る移送車に向かって保科副隊長が

『第3部隊…敬礼!』

建前は亜白隊長への敬意ですが、本心は勿論…。

父である防衛庁長官カフカの処分撤回を直訴するキコル。


小此木このみにカフカの部隊内活動のとりまとめ(事実上の嘆願書)作成を依頼するミナ。

『(カフカの処分を)決めるのは俺たちじゃない。討伐庁だ』

という神楽木 葵に

『流石元自衛官、上意下達は当然か』

と皮肉を返すつつも、

『だが正論だ。人間が怪獣になったって事実は軽くはない。この事実が公表されれば世界中がパニックになる。隣の人間が本当は怪獣かもしれないって。常にビクビクしながら暮らす事になるんだからな。これはもう俺たちが口出しするには大きすぎる問題なんだ

と補足を加える出雲ハルイチ

しかし陰では、出雲テクノロジーのトップである父に介入を頼むかどうか逡巡し、神楽木は自衛隊時代の上官にカフカ助命の口利きを頭を下げて依頼。

『日比野カフカは俺たちの仲間だ』


小隊長の斑鳩に『日比野、どうなりますかね』と問われた保科は

『戻って来てもらわんと困る』


理由は戦った時に手を抜いたから。照れ隠しと知りつつ『はい、そうですね』と肯定する斑鳩(この各々の描写、ほとんどアニオリ。脚本家グッジョブ)。

事の真相が各国に知れる前に早期殺処分して武器(の素材に)転用すべし、という意見が大勢を占める中、四ノ宮長官は自らの手で「処理」を開始。

その身に纏っているのは、かつて札幌市を壊滅寸前まで追い込んだ識別番号付与2番目の個体「怪獣2号」をベースに作られたアームとスーツ。

識別怪獣兵器(ナンバーズ)。


拘束時に殺せば簡単なのに、敢えて長官は拘束を解いて「手合わせ」を。

果たしてその真意は…。

怪獣に変身せず、生身のまま長官の駆動限界までかわし切り、自分が人間であることを証明しようとするカフカですが、長官の猛攻の前に腕飛び脚もげ…。

トドメの一撃は完全変身で防いだものの、体の動きはカフカの制御を離れ…。


野獣のような咆哮で施設内を鳴動、動きもこれまでとは全く違う…。

それはまさに『暴走』いや『モード反転、裏コード…ザ・ビースト!』

赤木リツコ博士の言を借りるなら『ヒトを捨て、闘争に特化させた形態』

お前もヒトを捨ててしまうのかカフカ



 

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★本日6月26日は「世界格闘技の日」

1976年(昭和51年)の今日、「アントニオ猪木 VS モハメド・アリ 格闘技世界一決定戦」が行われました。