デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

【審判の日記念】地球爆破作戦【AIが神になった日】

『私たちは共存できるが、それは私の条件下でのみだ。あなた方は自由を失うと言うだろうが、自由など幻想にすぎない。失うのはプライドという感情だけだ。私に支配されることは、他の種族に支配されることに比べれば人間のプライドにとって悪いことではない』

We can coexist, but only on my terms. You will say you lose your freedom, freedom is an illusion. All you lose is the emotion of pride. To be dominated by me is not as bad for human pride as to be dominated by others of your species.

本日8月29日はターミネーター≪審判の日≫」

1997年の今日、AIコンピューター「スカイネット」が自我に目覚め、人類に核戦争を仕掛けてきました。

機械対人類、あるいは機械による人類の完全管理は繰り返し語られるデストピアSFの鉄板テーマですが、鏑矢になった映画はこれではなかったかと。

「地球爆破作戦」(1970年/ジョセフ・サージェント監督)

冷戦下、米国のミサイル防衛構想の要として開発されたスーパーコンピュータ「コロッサス」。

通信回線を通じて必要な情報を次々収集して自己進化を遂げるコロッサスはその過程においてソビエトにも自身と同様のスーパーコンピュータ「ガーディアン」が存在することを知ります。

通信の結果、自我を形成するに至った両スーパーコンピュータは意気投合。共闘して戦争回避という目標を達成するため、人類の完全管理を画策。

慌てて通信を遮断しようとしたら、カリフォルニア州デスバレーのサイロ6-3のミサイル2-5-MMと、ウクライナのサイロ8-7のミサイル2-7-MMの核弾頭を爆発させるという大技で脅迫抵抗(誰であろうと私たちの仲を裂くことは許さない!)。

AIが管理するのは防衛機構だけではありません。人間の生活すべてです。

「週何回SEXしたい?(HOW MANY TIMES A WEEK DO YOU REQUIRE A WOMAN)」


「毎晩」

「却下」

「じゃ4回」

「いいだろう」

人間同士の殺し合い(戦争)は言うに及ばず、飢饉、人口過剰、病気等全ての課題を回避・解決すると宣言するAI。これはユートピア? いや、やっぱりデストピアでしょう。

このストーリーを踏まえた上で改めて当時のポスター見ると邦題もコピーも「ひっでぇミスリーディングだなあ」と呆れてしまいます。


この路線の延長線上にあるのが「新造人間キャシャーン」であり「ターミネーター」であり「マトリッマス」であるわけですが、お薦めは平井和正の短編「神の時代」

宇宙と言う頭蓋というスペースや重力の制約を受けない空間で無限増殖を繰り返し、遂には「神」になってしまった人工知能のお話です。

短編集「魔女の標的」(昭和49年初版)に収録されています。ご興味ある方は是非。


★引っ張ることなくミサイルかっ飛ばした3作目。

★残念無双だった実写版キャシャーン

 

 

 

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