『最初のレッスンだ。全ての絵に自分の血を通わせろ』
後世に名を残し、死後も語り継がれる作品を残すための「あしたのために その1」です。
「ペインテッド・イン・ブラッド」(2022年/アーロン・ミルテス監督)
マリクは画家、と言っても作品は売れず鳴かず飛ばず。
創作にかまけるあまり、家具屋のバイトもクビ。又貸ししてもらっている家の家賃も払えずホームレスオープンリーチ。
すがる思いで小さな美術館の警備員募集に応募したら合格。
展示の目玉は「レ・モール・パルル」。
1950年代に発見された作者不詳の絵。歴史的な価値はそこそこでしたが、買い取ったフランスの画家が血文字を残して自殺。その言葉が「レ・モール・パルル(死者は再び語る)」。
その後、絵は死の噂と共に転売され続け、ある評論家の遺品セールに。これを購入した投資会社から非営利の美術館が買い取って特別展示。
その絵にマリクは魅了されてしまいました。
刺激を受けたマリクは1枚の絵を描き上げ美術館オーナーにも認められて館内展示を許されますが、壁に「AMATEUR(稚拙)」の血文字が。
まさかの駄目出し。犯人は「レ・モール・パルル」。
そしてマリクの頭に語り掛けてくる。
『お前は誰だ?』
『導く者だ』
『俺は成功したい。絵で生計を立てたい』
『なら最初のレッスンだ。全ての絵に自分の血を通わせろ』
結果、
『これが限界ではない。可能性を引き出すために手を貸そう』
レ・モールのレッスンに嵌っていくマリク。
歴史に名を残したい。傑作を生みだしたい。自分よりも偉大で死後も生き続ける名画を。
ドン詰まりアーチストが悪魔と契って才能(が元々あったかどうかは別にして)を開花させる…気になるのはレッスン料ですが…。
これ👇が絵から抜け出して実体化したレ・モール・パルル(チャタラーさん入ってますね)。ブルブル描写は「ジェイコブズ・ラダー」から続くお約束。
本作のキモは魔性の絵画「レ・モール・パルル」の説得力だとおもいますが、なかなかにいい感じだったのではないかと思います。
★最近だとこんな人もいましたね。