デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

【追悼:西田敏行】ロケーション【♪走れエイトマ~ン】

西田敏行さんがお亡くなりになりました。

10月17日。東京都世田谷区の自宅のベッドで冷たくなっているのを付き人が発見。

病死。76歳没。

数々の受賞歴を誇るお方ですが、1本選ぶなら私はこれ。

「ロケーション」1984年/森崎東監督)

西田敏行の役回りは、ピンク映画のカメラマン、ベーやん。

金も時間も在庫僅少。

スタジオなんか借りられないからオールロケ。

さあ出発、という段になって主演女優(大楠道代)が自殺未遂。


女優は現地調達。撮影に使わせてもらった連れ込み宿の掃除婦・笑子(美保純)を口説いて撮影再開…と思ったら監督(加藤武)が心臓発作で緊急入院。

残金・残時間を託されたベーやんですが、笑子が「お盆だから墓参りに帰郷する」と言い出して更なるピンチ。


笑子の故郷は福島。ならば行こう、福島へ。ロケしながら移動すれば2日でアップは十分可能、と言えなくもないことはない…はず!

ゆく先々で役者を変え、シナリオも変え、完成目指して大車輪。

べーやんとは学生運動時代からの腐れ縁になる脚本家・紺野に柄本明、チーフ助監督・ダボ役に本作が一般映画デビュー作となる竹中直人


セカンド助監督にアパッチけん、スチール兼ドライバーにふとがね金太、ぺーやんが下宿している豆腐屋夫婦に愛川欽也乙羽信子

監督不在で引き継いだ現場をベテランカメラマンとして仕切っていく西田が実に頼もしい。

次の行動に移る時「ようし、話は決まった!」の代わりになるのが一本締め。

意思を束ねる時、誰かが両手を広げる(お手を拝借のポーズ)。


多少のわだかまりがあっても、皆黙ってこれに応じて一拍手!(いよぉっとか無粋な掛け声は掛けない)

洋画なら「Let’s Rock ‘n’ roll!」って感じじゃないでしょうか。

調子っ外れに歌う「エイトマン」が寂しくも力強く…。

晩年色々あってただ事ではないご苦労をされたのではないかと思います。


お疲れ様でした。ごゆっくりお休みください。

★比較的最近の西田敏行出演作。

 

森崎東と言えばやはりこれですね。

 

 

 

ランキング投票です。いや、西田敏行と言えば「見ごろ!食べごろ!笑いごろ!」だろ、という方はワンポチを。

 

 

 

★本日のTV放送【21:00~BS松竹東急】