火野正平さんがお亡くなりになりました。
11月14日。自宅にて。腰部疲労骨折に端を発する腰痛悪化が遠因とのこと。75歳。
近年はⅤシネでもいい感じの存在感を示しておりましたが、個人的にはやはり若き日のやんちゃ小僧の印象が強く。
追悼でこちらを。
「新・必殺仕置人/第41話(最終回)・解散無用」(1977年11月4日放送/原田雄一監督)
必殺最終回史上最強と謳われる名作回。
火野さんの役柄は、密偵担当のお調子者・正八。
仕置きの現場を押さえられ、囚われてしまった己代松(中村嘉津雄)。
待っていたのは非道の限りを尽くした拷問。仕切っているのは主水の上司でもある諸岡佐之助(清水綋治)。
時を同じくして、裏組織の互助会である「寅の会」を仕切る寅(藤村富美男)が会の解散を宣言。
この機に乗じて寅にとってかわろうとする辰蔵(佐藤慶)とその背後で暗躍している師岡。
二人の目的は殺し屋組織をまるっと掌中に収めること。必要なのはメンバー全員の掌握。
念仏の鉄(山崎努)のグループには巳代松ともう一人、正体不明の剣の使い手がいるはずだ。
巳代松を助けたければ、三人揃って顔を晒して軍門に下れ。
引退を決意した寅ですが、裏切り者の手引きで全身滅多刺し。
後の始末を託された鉄が単身殴り込みをかけますが、逆に捕らえられ利き腕の右手を焼かれ黒焦げに。
既に巳代松は廃人同然。人質としての価値もありません。
鉄と松の惨状と背後で辰三と結託している師岡の存在を知った正八が単身殴り込みをかけようとしますが、これを主水が鉄拳制裁。
『馬鹿野郎!テメエみたいなガキに何ができる!? 返り討ちに遭うのが関の山だ。そう死に急ぐ事ぁねえじゃねえか。俺がしくじってからでも遅くねえ』
切り札・主水渾身のお礼参り。辰三の元にいる師岡を火急の用事と呼び出しますが…。
『待て待て、中村。お前どうして俺がここにいるのが分かったんだ?』
『さ、どうしてですかな』
『貴様…まさか』
『そう、あんたの思った通りだよ、師岡さん』
仕事人以降のセコ突きが嘘のような大刀抜いての大立ち回り。
貫いた師岡もろとも辰三の屋敷に押し入って、手下も一気に斬り畳む大殺陣。
逃げた裏切り者(歌詠みの吉蔵←入札時に揚げ句を詠みあげる奴)は、正八の押す大八車に乗せた巳代松の手を取ったおていが鉄砲で射止め、辰三は右手黒焦げの鉄が腹抉られながらとどめを刺し…。
最期の仕置きの後、鉄が死に場所に選んだのは…。
回復の見込みの薄い巳代松をおていが引き取って江戸を離れ、二人を見送った正八は江戸残留。
生き残った主水と正八のその後は「江戸プロフェッショナル・必殺商売人」で。
必殺シリーズのガキ代表が火野正平だった…なんて良い時代だったのでしょう。
謹んで哀悼を。
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