またしても出遅れてしまいましたが、山際永三(やまぎわえいぞう)監督がお亡くなりになっておりました。
11月28日、老衰による敗血症のため東京都内の病院にて。92歳没。
TV特撮は「帰ってきた」~「レオ」までのウルトラシリーズと「シルバー仮面」、そして「日本沈没」。
追悼として「帰ってきた」からこの1本を。
「帰ってきたウルトラマン/第28話・ウルトラ特攻大作戦」(1971年10月15日TBS放送/山際永三監督)
脚本は実相寺昭雄、助監督がこの5話後にシリーズ最大の問題作「怪獣使いと少年」を撮る(そして干される)東條昭平。
発生したと思ったら消滅する謎の台風。発生と消滅を繰り返しながら一路、日本へ。
同時発生した竜巻に巻き上げられた船が民家の屋根に(素晴らしいアングル)。
被害が出ても所詮台風は自然の猛威。自然の事は自然に任せればいい、と大自然信奉を語る郷ですが、台風の正体は怪獣バリケーンでした。
麻酔弾からのミサイル攻撃は失敗。バリケーンが自在に発生させる台風に翻弄されるマットアロー各機。
本部でミサイルの照準を合わせていた郷が抜け出して変身。
観音開きになったゲートに描かれたMATのロゴがシンメトリーになっていい感じ(今回はローアングル多発)
スペシウム光線すら吸収してしまうバリケーンに苦戦するウルトラマンですが、自らの回転によって作り出した巨大な竜巻(ウルトラプロペラと言うらしい)で、大気圏外に放逐(パチンとマンガのような音を立てて消滅)。
バリケーンが巻き起こした風が、光化学スモッグを吹き飛ばし深呼吸のできる済んだ空気を東京にもたらしましたが、バリケーン消失と同時に再び光化学スモッグが東京を覆ったのでした。めでたしめでたし。
本作では、序盤のエピではやたら郷に突っかかって敵対関係にあった岸田隊員(西田健)が妙にフレンドリーになって、郷と凸凹コンビのようなやりとりをしております。二人のギスギス感が「帰ってきた」唯一のマイナスポイントだったので、喜ばしい限りです。
また、バリケーンに対する冷凍弾攻撃を進言する丘隊員(桂木美加)の顔がグイグイアップになった👆のも眼福でした。
ありがとう、山際監督。謹んで哀悼を。
★山際監督が丘隊員のミニスカートを拝ませてくれたこちらも。