デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

その記憶は誰が為に。 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかV 豊穣の女神篇 ♯1~9

ある一瞬を境に世界の認識がガラリと変わる。

背中を預けられる仲間は他人になり、自分にとって大切な人の事を誰もが知らないと言う。

世界を騙す記憶の改竄。そんなことができるのはこの世に3人しかいません。

対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース長門有希、心理掌握(メンタルアウト)を駆使できる学園都市最強の精神系能力者・食蜂操祈、そして美の神・フレイヤ

長い長い時間をかけて、ようやく見つけた「伴侶(オーズ)」、ベル・クラネル

しかし、ベルは処女神ヘスティアの眷属。これまでは、ベルが自身に相応しい「英雄」に育つよう陰から試練を与え、その試練を克服できるよう町娘シルの姿を借りて援助をしてきました。

観測者であり、育ゲーのプレイヤーであったわけですが、お預けはもう限界。手段選ばず、なりふり構わず。

町娘シルとして告白しますがベルはこれを受け入れず。ならば、とヘスティア『ベルを頂戴』と居丈高に懇願しますが当然、ヘスティアはこれを拒否。


貰えないのなら実力で奪い取る(ファミリアは皆殺し、ヘスティアは天界に送還して二度と下界に降ろさせない)と臨戦態勢に入りますが、策士ヘルメスの妥協案(ファミリアの移籍、コンバージョンは眷属になってから1年経過後でなければならない。それは我々神々が定めた下界のルール。ベルはまだ入団半年。あと半年待て)で一旦は引きますが…。

『いいわよ。あなたの口車に乗ってあげる。ただ、確実にコンバージョンを履行してもらうために先に手を打たせてもらうわ』

半年の猶予期間中に策を練る、それがヘルメスの作戦でしたが、そんなものを呑気に待つフレイヤではありませんでした。

ヘルメスがフレイヤの言葉の意味を悟ったのはこの直後。

『まさか!?』

団長アスフィにリューを連れてオラリオから離れるよう命じると、急ぎ1枚のメモを走り書いてヘスティアに。

『その時が来たらこれを俺に渡せ。すぐに渡しては駄目だ。時期をしくじれば、俺はそのままお前の敵になる!』

フレイヤが先に打たせてもらうといった手とは、神の性質(権能ではない)「魅了」の発現。

オラリオに住む全住民の記憶を改竄。ベルは最初からフレイヤ・ファミリアの一員であったと刷り込んでしまいました(暴走女神に見境無し)。

誰もがベルを知っている、しかし、ヘスティア・ファミリアのベルではなく、フレイヤ・ファミリアのベル。

まるで腫物、厄ネタ。関わり合いにならないように避けて離れて。

ヘスティア・ファミリアの仲間ですら…。


そして皆が口をそろえて言う。シルなんて娘は知らない、と。

ベルの記憶は誰かに掛けられた「呪い(カース)」と看做され、なし崩しにフレイヤ・ファミリアとしての新しい生活が。

違う、僕はフレイヤ・ファミリアじゃない!

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかV 豊穣の女神篇/第1~9話」(2024年10月9日~12月4日/橘秀樹監督)

倉庫整理をしていて、ふと動きを止めるヴェルフ・クロッゾ

いつ、誰のために作ったのか分からないライト・アーマー。

でも鍛冶師だからわかる。自分はこれをすごく大切に打っている。これを使う誰かと、まるで思いが通じ合ってるみたいに。

『思い出せなくてもいい。感じてやってくれよ。その冒険者との絆を』


すぐにでもベルの元に駆け寄りたい。しかし、今は我慢(ヘスティアは魅了の瞬間、神格を高めて~一種のバリアを張って~いたので、記憶の改竄はされていない)。

自分の記憶と異なる世界に戸惑い、心折れかけているベル。

僕は誰に憧れてたんだっけ? どこへ帰りたかたっんだ?

もう折れてもいいんじゃないか。僕の記憶が間違いだと認めてもいいんじゃないか。でも…。

『アイズさん、僕を知ってますか? 今日まであったこと覚えてますか?』

ベルが憧れた、この人の隣に立つに相応しい強い冒険者になることを誓って日々努力してきた、その相手、剣姫・アイズ・ヴァレンシュタイン

黙ってその場を去ろうとするアイズですが、すれ違いざまベルの手を取って…

『訓練、する?私は君を一杯気絶させて、そうしたら、膝枕をして、起きたらまた鍛錬をして…。あの城壁の上で戦わないといけない気がする。君に教えて、私も教わらないといけない気がする。誰かと約束して、強くなりたいって、そう言われた気がする』

見つけた…自分と同じ記憶を有する相手を。僕の事を覚えてくれている人を。

『あなたに憧れて…よかった…』


これは涼宮ハルヒの消失キョンハルヒと再会したシーンと被りますね。

『あんた、名前は!?』

『…ジョン・スミス』

『ジョン・スミス…あんたが? ジョンだって言うの?』

(繋がった!そうだ、俺はとうとう手がかりを見つけることができたんだ。おかしくなっちまった世界で、たったひとり、過去の記憶を共有している人間を…)


自分の記憶は間違っていない。カースなんかじゃない。

『僕は僕です。僕は…ベル・クラネルです!』

そう、いつだって名乗りこそドラマ。

オラリオに戻ったアスフィとリュー、現況に疑念を抱くと記憶がリセットされてしまう魅了の仕掛けを逆手に取ったヘルメスの協力を得て、オラリオの街に「天界の竈」を再現し、魅了の呪縛を解いたヘスティア

魅了が解けても魅了中の記憶は残っているようで、ベルに冷たく当たってしまったファミリアメンバーは全員自責悔恨の嵐。

『リリはベル様になんて仕打ちを…』

ギルドのお姉さんも。

『許せないよ!神フレイヤも、ベルくんにあんな事言った私自身も!』


住民全員一斉蜂起。フレイヤ・ファミリアにカチコミかける勢いで体温沸騰。

ヘスティアはベルを取り戻してフレイヤに勝利宣言。『さあ、どうする!?』フレイヤの回答は…

『派閥大戦(ウォーゲーム)よ』

何とこの期に及んで実力行使にワンチャン賭けるか。アポロン戦以来のウォーゲーム。果たしてルールは?メンバーは?

★ご参考~記憶改竄事件2選。

 

 

 

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★本日のTV放送【13:00~NHK BS】