
高校時代の悪友が結婚して長男を授かった時、つけた名前が英明でした。
『映画オタクのお前にしちゃ随分と地味な名前つけたなあ』
『馬鹿言ってんじゃねえ、円谷英二の「英」と黒澤明の「明」だぞ』
自己満足のためには手段も目的も選ばない微笑ましいエピソードでした。
そのご子息の半身・円谷英二の命日が本日1月25日。勝手に「円谷英二忌」と名付けました(因みに円谷英二生誕の7月7日は特撮文化推進実行委員会が制定した「特撮の日」です)。
円谷英二と言えば「ゴジラ」シリーズ、初期「ウルトラ」シリーズなどの怪獣特撮を真っ先に思い浮かべますが、ミニチュア特撮の本領発揮は戦争映画。

濃霧の中を一列縦隊で侵攻し、浅瀬が続く岩礁海域を軋みをあげながら進む艦隊の迫力、モノクロ作品にも関わらずカラーフィルムによるブルーバック合成で描き出された潜水艦の雄姿、きっちり骨格まで作り込まれた格納庫や地上施設のミニチュアが段階的に爆破されていくリアリティ。
数え上げればきりがありません。
本日は円谷英二の手による戦争映画特撮博覧会を。
ラインナップはこちら。
- 加藤隼戦闘隊(1944年/山本嘉次郎監督)
- ハワイ・ミッドウェイ大空海戦 太平洋の嵐(1960年/松林宗恵監督)
- 太平洋奇跡の作戦 キスカ(1965年/丸山誠治監督)
- 潜水艦イ-57降伏せず(1959年/松林宗恵監督)
★個々のレビューはこちらから。
ついでと言ってはなんですが、円谷が特撮を手掛けたにも関わらず結果的に「残念カルト」になってしまった作品をふたつほど。
個人的に印象深い円谷特撮をひとつ挙げるなら、セットを組んだ台座の支えをトラックにつないだロープで一気に引き抜いて大規模な破壊を描写した「海底軍艦」の丸の内陥没シーン。

恐ろしくスケールのデカい「テーブルクロス引き」(ただしクロスの上のモノは全部壊れる)なわけですが、初見時はあまりの豪快さに目を見張りました。
あーあともうひとつ。「怪奇大作戦/第23話・呪いの壺」クライマックスの妙顕寺炎上シーン。

ミニチュアとは思えない炎のゆらめき(ミニチュアは1/6サイズ)。どう見ても本物。あまりのリアルさに、放映当時、自分のお寺が燃えていると檀家が慌てたとも、お寺を燃やすとは何事かとTBSに苦情の電話が入ったともいわれる「日本のオーソン・ウェルズ」「現代の宇宙戦争事件」です(オーソン・ウェルズは円谷英二でも実相寺昭雄でもなく、美術担当の谷仙克氏でしょう)。
★ご参考
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