
続きです。見逃していたラヴクラフト「異次元の色彩」最後の1本(映画化は2本目)。
「デッドウォーター」(1987年/デヴィッド・キース監督)
冒頭、いきなりパトカーが民家急襲して大捕り物。
アクション映画かよ!?な出だしです。

確保された男がパトカーに押し込められながら叫ぶ。
『It’s in the Water!』
護送中も窓の外ではご近所の方々が洗車、水やり、水浴び…。
『駄目だ!水は駄目なんだ!嗚呼…』
原題は「THE CURSE」(呪い)ですが、邦題もあながち外していない感じですね。
ここから時計の針が6か月巻き戻って、テネシー州テリコプレーンズの農場へ。

ここに隕石どっこん、動物わっしょい、作物でんでろ、人間らりほーで大筋原作通りの展開。ちょっと違うのは、
農場の守備範囲が広い。家族経営(父ちゃん、母ちゃん、息子二人に娘一人)なのに、キャベツ、トマト、リンゴ、牛、馬、鶏。ちょっと人手がたりなくねえかい。
離れのような所に住み込み肉体労働男子がひとりいるのですが、肉体持て余したお母ちゃんとデキちゃった所をお父ちゃんに見つかって以降、登場シーンがありません(まあ馘になったんでしょうね)。
あと、作物・動物への影響がエグい。
他の作品では「見た目はいいけど味が酷い」でしたが、こちらは見た目も。キャベツは割ったら色とりどりの粘液がどろりだらり。トマトは包丁刺したら動脈切ったような液体がぶっしゃーびっしゃー。

リンゴの中は虫がぎっしり。牛も腹が腐って開いて中から虫が溢れて爆発四散。虫シャワー。

やたら虫と体液が多いなぁと思ったら、セカンドユニット・ディレクターがルチオ・フルチ(Oh my…)。恐るべしイタリア資本。
で、後半、このイタリア的サービスグロ展開が花開いて割といい雰囲気だった前半を台無しにしてくれちゃってます(分かりやすいモンスタームービーになって、コズミック・ホラーが彼岸の彼方)。

ラヴクラフトものは原典通りに話をなぞるとどうしても地味になっちゃうんで、興行師的には派手な(もしくはショッキングな、インパクトのある)絵面を差し込みたくなるんでしょうねえ。
敢えて低予算を逆手にとって地味さを貫いたドイツ版(←唯一アメリカ資本が入っていない)「宇宙の彼方より」に軍配をあげたいと思います。
★フルチ×虫と言えば…、
★ついでにフルチについて無駄な知識を増やしたい方は、