
ついに迎えたビター・ガナッシュとの対バン当日。
先攻はビター。聴きやすさ重視のラブソング。売れるために心から歌いたいと思っている訳でもないラブソングを歌うビターを「媚びた」と断罪するシロ。
続いてステージにあがるリリーらですが…。
「ロックは淑女の嗜みでして/第9話」(2025年5月29日TBS放送/安川央里演出)
いやもうマイナス要素が視界一杯地雷原。
- 統一感ゼロのビジュアル。
- シロのギターを期待して来たのにシロの楽器がベース。
- 代わりにギター抱えているのが見た事の無いツインテ女(ハードル爆上げ)。
- キーボードが完全素人。
- そして何よりバンドのジャンルが「インストロック」
不安しかありません(笑)。
開始と同時に最初の地雷炸裂。
『お胸(原作は“おっぱい”とルビ)で鍵盤が見えない!』

矯正下着から解放されたティナの胸が視界を覆い、そのため一番大事な入りのタイミングがズレる大失態。
ここからリズムを戻すのは至難の業。
(だからやめろと言ったんだ。演奏が始まったら、もう曲は止められないんだよ!)

どう頑張っても戻らない。まるでひとり樹海に迷い込んだよう。やめたい、逃げたい、楽になりたい。でもこの手だけはとめられない。途中でやめずに最後まで弾き続けることはりりさくんが最初にボクに教えてくれた事だから。
『前のめりになって、それでも入りのタイミングを外してしまったら、私の音(原作では“ドラム”とルビ)を見つけてください。必ずティナさんを導きますから』
開始前のオトのアドバイス。

見つけた。闇の中の光明。クラッシュシンバルの正確な打刻。
立て直しに成功したティナ。問題はリリー。
(弾けば弾く程、観客が離れていく気がする…)

勝ちにこだわって迷走。見せつけてやると意気込んで更に…。
もっと上手く弾かなければいけなかったのに…。折角バンドを組んだのに、こんな結果になって、オトきっと口惜しがっているだろうな…。
しかし…ここでオトが渾身のドラム(「ペインキラー」だ!)。
(勝手にひとりで滅っ茶気持ちよさそうに演ってる!)

(なんて自己中!こんな時でもとことん、自分が気持ち良くなることしか考えてない!)
周りの雑音、文句、評価、感想…
(うるさい!全部うるせーんだよー!あたしだって気持ち良くなるためにロックやってんのに!)
覚醒。解放。
(他人の人生なんて知ったこっちゃねえ!)

頸木の外れたリリーのギター。乗った!とばかりに打ち出しを強めるオトのドラム。好きにはさせない、ねじ伏せる。

(あたしが気持ちよく弾いてるのに、邪魔すんじゃねー!)
リミッター解除。暴走。
(このままでは曲が崩壊するぞ!)

シロがベースで介入して立て直す。
(まったく世話が焼ける。そんなに暴れたいなら好きに暴れろ。ただし私の作ったリズムの檻の中でな!)

縛れるもんなら縛って見ろ! 煽るオト(煽動家)、逆らうリリー(鉄砲玉)、抑えるシロ(猛獣使い)。何気にこのやりとりについて行っているティナ。
演奏が終わった時、全員燃え尽きて真っ白。没我の境地。果たして勝負の行方は…。

特別付録【クラシックロック探訪・番外編】
まさかの巨乳フィルターで鍵盤確認ができなかったティナはこの人をお手本にしましょう。
イェンス・ヨハンソン。イングヴェイ・マルムスティーンのバンドの初期メンバーの一人。ネオクラシカルメタルとフュージョンの速弾きキーボーディストとして知られていますが、この人、興が乗るとこのような態勢に。

これならオッパイが視界を覆うことはないでしょう(難易度はすげーあがると思いますが)。
イェンス・ヨハンソンのアクロバティック・キーボード演奏が拝めるイングヴェイ・マルムスティーンのレニングラード・ライブ「Trial By Fire: Live In Leningrad」(34分54
秒辺り)はこちら。
オトがリリーを覚醒させた「自分勝手ドラム」は「ペインキラー」のイントロ・リスペクトですね。
ジューダス・プリーストが1990年に発表した12枚目のオリジナルアルバムのタイトル・チューン。
叩いているのはスコット・トラヴィス。彼のバスドラムテクニックにより、本作以降、バンドの音楽性を現代的なパワーメタルへと変貌させました。

聴いた事ない方はこの機会に聴きましょう。
今回のライブで観客が戸惑ったのが「インストロック」への対峙の仕方が分からない、というものでした。
インストロックの名曲は数々ありますが、(今の気分で)1曲選ぶなら「Wring That Neck」でしょうか。
第1期ディープ・パープルが1968年に発表したセカンド・アルバム「詩人タリエシンの世界」の2曲目(米国版は「ハード・ロード」に改題)。
オリジナルは5分13秒ですが、ライブではインプロ交えて長尺になる事が多く、2期のライブ・アルバム「Scandinavian Nights」では34分22秒というどえらいランニングタイムになっています。

オリジナルに近い「短いバージョン」はこちら。
ティナの腕が上がれば、ライブで再現することも夢ではない…かも。