
反政府市民らを大量虐殺していたベラルーシの独裁者デュコビッチ大統領(ゲイリー・オールドマン)が逮捕され、オランダ・ハーグの国際司法裁判所で裁かれようとしていましたが、金と権力で証言は次々無効or証言者あの世行き。
証拠不十分で釈放無罪は秒読み。最後の切り札として国連&がインターポールが用意した証人がデュコビッチ蛮行の証拠を握っていると言われる殺し屋ダリウス・キンケイド(サミュエル・S・ジャクソン)。
250人以上は殺しているダリウスは現在、イギリスの刑務所に服役中。司法取引の条件は僅かな減刑と別刑務所に収監されている妻ソニア(サルマ・ハエック)の恩赦。
しかし、インターポール側に内通者がいたため、移送車が襲撃され、警備は若手捜査官アメリア・ルーセル(エロディ・ユン)を残して全滅(ダリウスも右足に被弾)。

何とかダリウスとセーフルームに辿り着いたアメリアでしたが、内通者が誰か分からない以上、組織に助けを求める事もできず。進退窮まったアメリアは唯一の信頼できる部外者、元カレのマイケル・ブライス(ライアン・レイノルズ)に連絡を。
マイケルは一流のボディガードとして華々しい生活を送っていましたが、日本人武器商人クロサワの護衛任務に失敗してから落ち目街道まっしぐら。
しかし、ボディガードとしてのランクは未だAAA。腕は確か。
『住所を送るからO型Rhマイナスの血液を3単位持って2時間半以内に来て!』
要人警護のプロと要人暗殺のプロという「煮え湯を飲ませ飲まされ」してきた二人が制限時間内に裁判所を目指す呉越同舟プロジェクトがスタートしました。
「ヒットマンズ・ボディガード」(2017年/パトリック・ヒューズ監督)
建て付けと芸達者な役者と監督(「エクスペンダブルス3」撮った人)で、この後どんな展開になるかは容易に想像がつきますし、その通りになります。
という訳でストーリーの説明は野暮なので別視点のお話を。
全編アクション(と笑い)つるべ打ちなので、武器弾薬もてんこ盛り。
目についた銃火器をひとつふたつみっつ。
まずはベラルーシの独裁者、ヴラディスラフ・デュコビッチが政府批判の学者の妻子を見せしめ処刑した際に使ったマカロフ(Makarov PM)。
マカロフは、ソビエト連邦において開発された自動拳銃。第二次世界大戦後、戦前からの軍制式であった大型拳銃「トカレフTT-33」に代わるものとして開発され、1951年に制式採用されました。
トカレフTT-33との最大の違いは「安全装置がある(笑)」。
使用弾薬は、ドイツが第二次世界大戦末期にワルサーPP向けに開発した9mmウルトラ弾(9x18mm)をソ連向けにアレンジした9x18mmマカロフ弾(ウルトラ弾共々グッとくるネーミングです)。

「裏世界ピクニック」では鳥子が愛用しておりました。
お次は、ダリウスが敵に拉致られたマイケルを救出・奪還した時に持っていたSmith & Wesson M&P。
S&W M&Pは、スミス&ウェッソン社が法執行機関での採用を目指して開発(2005年)したポリマーフレーム拳銃(M&Pは"Military and Police")。
ダリウスは右撃ちですが、ここだけ(右肩をマイケルを支えるために使っていたという流れで)左撃ちなんです。

「リコリス・リコイル」で井ノ上たきながハーフステンレスモデルを使用しておりました。
最後に襲撃者側が使っていたちょっと変わったシルエットのFN P90。
FN P90(ファブリックナショナル プロジェクト ナインティー)は、ベルギーのFN社が開発したPDW(Personal Defense Weapon/個人防衛火器)。
短機関銃の親戚って感じです。

「GUNSLINGERGIRL」のヘンリエッタ愛用銃でしたね。
あと本作は劇中使用曲が豪華。チャック・ベリーやらフォリナーやら有名曲が26曲。お気に入りは、ボビー"ブルー"ブランドの「Ain't No Love in the Heart of the City」。
74年発表のR&Bですが、私ら世代にはホワイトスネイクのデビューシングルにして初期ライブの定番曲。

で何とこの名曲がサントラ(全16曲収録)に入っていないんですわ。まあ版権やらなんやら色々あったんだと思いますが、何と言う片手落ち企画。

右は「ボディガード」をパロッたポスター&ジャケット。大馬鹿野郎です(←褒めています)。
★トカレフの歴史についてはこちら。
★鳥子のマカロフについてはこちら。
★ヘンリエッタのFN P90についてはこちら。
★殺し屋サミュエルと言えば。
★証人護送と言えば。