
『国境近くで動きを観察しながら、彼らの戻りを待ちましょ』
『戻って来れるかな。カナダは食人の国だし』
(If they cross back. Canada is cannibal country.)
そ、そうだったんですか? カナダさんったら知らないうちにそんなことに。
カナダに怒られねえか、と心配しましたが、カナダ映画でした。
「ワイルドクラッシュ」(2018年/ローウェル・ディーン監督)
近未来。北米の大部分は、マフィアが支配する「スーパーグリッド」と呼ばれるシノ・ガザム鉱山の一部となっていました。
おまけに全土に渡って空中浮遊菌による肺疾患「ブラック・ラング」が蔓延。感染者は既に9280万人超え。進行が進むに従ってミュータント化する(見眼麗しくなる)厄介な代物。

スーパーグリッドは「治安って何?」な無法地帯。
そのリーダーはミュータント化したテロリスト、ジャックス。
「13日の金曜日part2」ばりの片目開きズタ袋マスクがお洒落です。

ディークは運び屋。マフィアのボス、ラズロの命令でグリッドを横断し、指定された場所で指定されたものを受け取り戻って来る宅配便。
途中には「タダでは通さぬ」検問所、潜ればジャックスが待ち構えている理不尽ルート。
前回は持ち帰りに失敗した挙句、運転手を任せた妹ジュードを失う羽目に。当然、ラズロはご立腹。リトライして来い、猶予は2日。
仕方なくリタイアした(ジュードの死がしこりになって関係最悪な)兄ジェシーに復帰を頼みましたが…。
という「肺疾患を引き起こしミュータント化させてしまう空中浮遊菌」の中、「検問を突破」して、「出会ったら殺されるジャックス」を回避(時に殲滅)しつつ、「兄弟喧嘩」をしながら荒れ地を踏破して「中身が何かも分からない荷物」を回収して2日で戻る「無理ゲー」大作戦です。
設定だけ見ると、人も車も景気よく跳ねて轢いて転がして大爆発な「マッドマックス」タイプを連想してしまいますが、残念ながらそういう派手さはまるで。
カースタントも控えめでどちらかと言うと「チェーン・リアクション」に近い雰囲気。
ただ時折、背景として覗く景観が一瞬ながらデストピアを垣間見せてくれて、個人的には好感触。

アクションも(数が少ないだけで)頑張ってなくはない。

あとなんやかや善い人は生き残り、悪い人はちゃんと死んで無駄に悲壮感を盛り上げない(頼らない)のもいい感じではありました。
これで敵側でも味方側でもいいので「バトルトラック」的小道具(いや大道具か)が投入されていれば印象深い作品になったと思います。
★ローウェル・ディーン監督の作品はこちら。
★ご参考
☜ランキング投票です。カナダ人は食人族だと信じている方はワンポチを。