
俺の名はオーランド・フライアー。

2年前にとある権力者が立ち上げた新規事業に参加した。裕福な資産家・投資家への情報提供が名目だったが、実態は通話やサーバのハッキングだった。そして口座も。確定拠出年金にもだ。結果、一般人も含め多くの人の年金が消えてなくなった。
俺は司法取引をして微罪で済ませてもらう代わりに上司を刑務所に送りこんだ。
今はネットワーク管理の会社で保守作業をしている。「私のPCが死んだの」と嘆いているおばあさんのルータを遠隔で復活させたりな(ちょっと違法だけど)。
妻と娘と3人でささやかな生活を送っている。何の問題もない。
事務所の椅子の下に加圧式の爆弾が仕掛けられていること以外は。
「ホット・シート」(2022年/ジェームズ・カレン・ブレザック監督)
原題もまんま「HOT SEAT」。“困難な立場”とかドストレートに“電気椅子”なんかを意味するんだそうです(立ち上がると爆発するので椅子の座面が熱くなっていることの隠喩かと思いましたが違いました)。
オーランドの椅子を温めた犯人の要求は「同じビルに入っている金融機関のサーバに侵入してデジタル資金を翳(かす)めとれ」。
オーランド・フライヤー役はケヴィン・ディロン(マット・ディロンの弟)。
ベテラン(現場の扱いは「ロートル」)爆発物処理班役でメル・ギブソンが彩りゲスト。

特にメルギブである必要は(微塵も)無いのですが、「爆弾で座った状態から動けない人」を助けるという構図が「リーサルウェポン2」の“トイレ爆弾シーン”を思わせます。

「リーサル・ウェポン2/炎の約束」
現場を仕切っている女所長役がシャナン・ドハティ。「ビバリーヒルズ高校白書」が彼岸の彼方。時折、面影を宿すカットやアングルがあるのですが、下手すると「サスペリアPART2」のクララ・カマラーイ(犯人役だった人ね)に見えてしまうことも。

左が「ビバリーヒルズ」の頃のシャナン。中央が本作のシャナン。右が「サスペリアPART2」のクララ・カマラーイ。
爆弾モノの割りには爆発が(実写・CG含め)チャチ。「地獄の黙示録」マニアという犯人キャラも生かされておりませんし、脚本・演出双方残念な出来ではありますが、「ビーキーパーになり損なった男の復讐譚」だと思うとそれなりに味わい深くはあります。
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おまけ
「リーサル・ウェポン2/炎の友情」からジャンプ一発トイレ爆弾から逃れた“ダニー・グローヴァーのケツ”をどうぞ(貴重映像かも)。

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