
至近距離で釣り針のついた巨大なルアーを飛ばし合う。
決闘シーンの新たな地平…いや水平線を築いたのかもしれません。
後に続く者はいませんでしたが…。
「悪魔の人間釣り」(1986年/ジェームズ・マロン)
ジャケ買いしちゃいそうな輸入盤ホラーソフト…という括りで駄文をひねろうと、通販サイトを眺めていたら、妙に気になるもの発見。
BLOOD HOOK…邦題「悪魔の人間釣り」!?
釣るのか!? 人間を!? フィッシング詐欺とかじゃなくて!?
ジャケのデザインも馬鹿っぽい…って製作トロマじゃん!

観たい、絶対外すと思うけど何か凄く観たい。
国内版BD/DVDは発売されていない…けどネットにまるっとアップされている!
ウィスコンシン州の湖。毎年開催される「マスキー・マッドネス」(大型淡水捕食魚マスキーの釣り大会)にやって来たティーンエイジャーら。
ロケ地となったヘイワードのランドマークである巨大なグラスファイバー製のマスキー。

ここで釣具店を営むベトナム帰りの殺人鬼(普段はまともだが、怪我で頭に埋め込まれた金属プレートが蝉の鳴き声とある音階の音楽で鳴動すると殺人スイッチが入ってしまう)に襲われるお話。
何が凄いって得物が巨大なルアー。こいつをびゅんびゅん飛ばして人間フィッシィング(本当に釣るんかい!?)
これ👇が人間釣り用ルアー。

景気よくぱんぱん人を釣って行くのですが、スプラッターとしての必要カットをきちんと押さえていないので位置関係が分からず「え、で、結局どうなったの?」なシーン多数。
釣った獲物はロープ通して小屋に運んで丁寧にミンチにして釣りの餌に。

トロマだからノリの良いはっちゃけ具合を期待したのですが、これがすこぶる普通のスラッシャー。作りが真面目な分少々退屈。
アップされていた映像のランニング1時間52分! 長くね?
allcinemaには90分と出ていたのに。
聞けば、1986年に公開される予定だったのが、アメリカ映画協会がX指定を与えると脅したためプロデューサーが暴力や残酷なシーンをカットして映画を短縮したそうで、多分それが90分バージョン。
2018年5月に、オリジナルの16mmカメラネガの新しい2kスキャンを収録したブルーレイ版がVinegar Syndromeからリリースされ、これが111分の拡張カット。
エクステンデッド・エディションだったのか!? 増えたのは最初に削られた残酷シーンなんだと思いますが、この時「ついでに前半の無駄に長いシーンカットしちゃおうかな」とは思わなかったのか?
そして最後は、主人公とベトナム殺人鬼の釣り対決!

これが決闘の舞台。
別に無制限時間内に沢山釣った方が勝ちとかじゃありません。至近距離から釣り針に就いた人間用ルアーを飛ばし合う「野試合」。
飛ばす、刺さる、巻く。苦悩悶絶フィッシング。何やってんだ君たち、と突っ込みたくなりますが、まあ、ジョーとカーロスが、あるいはグリフォンとアルフォンスがひたすらどつき合っていたシーンと同じっちゃあ同じじゃないですか(「地獄のモーテル」の豚マスクチェンソー対決とも似ている)。

オチとかつけるの面倒くさくなったとしか思えないテキトーエンドも味わいって事で。
ちょっと騙されてみたい方にお勧めです。
★本日のTV放送【27:05~テレビ東京】