デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

【ホラーレジェンド揃い踏みなのに】アンビュランス911【アラン・スミシーかよ!?】

『心配するな、救急隊員だ』

(Don't worry, I'm a paramedic.)

ここはブリストル郡のパインバレン「アッシュ・パイン・ロード」。20年の間に31台の車のドライバーが行方不明になった陸のバミューダ


事故の無線を傍受したら即座に駆け付ける救急隊員に守られた安心安全地帯です。

「アンビュランス911(2015年/アラン・スミシー名義)

この邦題だと「9.11の時に活躍した救急隊員のお話」かと思っちゃいますが、違います。

戦争中衛生兵で血の味が忘れられなくなったお父ちゃんが救急車(ナンバー「OLD37」←原題)かっ飛ばして怪我人さらってバラしてポン。


お父ちゃんの蛮行目の当たりにしつつ、ついでにDVの限りを尽くされた息子二人は長じて立派な脳煩いに。

父の仕事(趣味?)を立派に引き継ぎました。

この兄弟がビル・モーズリー(兄)とケイン・ホッダー(弟)。「悪魔のいけにえ2」「デビルズ・リジェクト」と「13金シリーズ」“ジェイソン最多役者”夢の競演です。


にもかかわらず監督名義がアラン・スミシー(実際はクリスチャン・ウィンターズ)。何でやねん!?

いや観て納得しました。確かにこいつはアラン・スミシーです。

冒頭の掴みは満点なのですが、その後が駄目ダメ。

果てしなくどーでもいいティーンエイジャーの恋愛話が延々。まあ、ちゃんと救急一家と繋がるのですが、編集が下手。いちいち挿入される過去の因縁回想が展開スピード削ぐ削ぐ。

ビッチの拷問シーンと主人公の豊胸手術シーンをカットバックで繋ぐことに何の意味があるんだ!?(この監督さん、本業「編集」なのに!)。

撮るべきシーンを撮っていないので繋ぎは不自然だわ、「あのエピはあの後どうなったんだ?」「お前が何でそこにいる!?」とか疑問山積み。

多分、監督さん(もしくは部分部分の演出を丸投げされた誰か)が一番気合入れたと思えるのがここ👇。ビッチ二人のボクササイズシーン。


何かここだけ「上級」な感じの演出と編集でした。

舞台となるアッシュ・パイン・ロードが特に峠攻めするような地形ではないので、カーレースもカースタントもありません(事故は全て「事前」「事後」描写で、その瞬間の映像は無し)。

ゴアシーンもあるにはありますが、こちらも事前・事後・アングルカット(肝心の部分を視界から外す)ばかりで、刺激は全然。

冒頭の「骨が見えているお姉ちゃんの足の傷口」にぐりぐり指突っ込んで血ぃ舐めるシーンと「日焼け美人にしてやる!」とばかりにビッチをこんがり燃やしてしまう(後から焼け爛れた顔がちょっと映る)所が数少ない見せ場です。


ケイン・ホッダーは割りの本作のプロットを気に入っているみたいなので、誰かもちっと観られるバージョンに再編集してくれないでしょうか。


★ケイン・ホッダー特集!

 

 

 

ランキング投票です。救急車好きの方はワンポチを。