おっと今のはビビった…なシーンが多々あるのは確かなのですが、“怖い”というよりは“妙な味わい”。
ワン監督としては、先般ご紹介した「死霊館」と同じ“家もの”ではありますが、テイストは別物。
3人の子供を持つジョシュとルネが新居を購入したものの、早々に不気味な現象に見舞われてちょっとダウナー…って所までは「死霊館」と同じ。
ある朝、長男が眠ったまま目覚めず、昏睡状態に。
肉体的外傷は無し。原因不明。3か月経っても目覚めない息子とその後も続く怪異現象にテンパったお母ちゃんが「あたしもう嫌、引っ越す、うえ~ん(泣)」。
この手の映画では、“とっとと引っ越せよ”と思う事がよくあるので、ある意味これはクレバーな選択。
しかし、残念ながらこの計画は失敗。新居に皆ついて(憑いて?)来ちゃったから。
ここで旦那のお母ちゃん、バーバラ・ハーシー登場(写真3枚目)。
“あたしも若い時ゃ幽霊に乳揉まれたものよ”ってな貫禄が堪りません。
で、このお母ちゃん、昔取った杵柄(?)で邪悪な存在を霊視。おっとこいつは洒落にならんと旧知の霊媒師を召還。
この霊媒師がリン・シェイ(写真4枚目)。「2001人の狂宴」で楽しそうに人間スクイーズ作っていた人ですね。
調査の結果、長男は幽体離脱状態で悪魔に連れ去られた事が判明。
悪魔は蹄着けたダース・モール(写真2枚目。左側は本人)。地獄で回転やすり踏みながら爪研いだりしている綺麗好きです。
例えに出すのもどうかとは思いますが「エルム街~」と言うよりは「死霊家政婦」に近いイメージ(と言われて納得する人はいないわな)。
終盤は彼方に連れ去られた息子を奪還すべく、幽体離脱マイスターのオヤジが未知への飛行。
まんま「ポルターガイスト」ですが、「トワイライト・ゾーン」の「消えた少女」とかも思い出しました。
ひとつ字幕で気になったところが。
幽体離脱した旦那を呼び戻すために妻が肉体に呼びかける「Follow My Voice」を「私の声に従って」と訳していましたが、特段指示を出している訳ではないので意味合いとしては「私の声を辿って帰ってきて」だと思います。
なので短文で訳すのであれば「私の声の方角に」、もっと短くするなら「こっちよ」とかの方が状況に即していたのではないかと。
霊媒師助手の凸凹コンビがいい味出していました。
オチはベタすぎて「うーむ」でしたが、とっととトーチャー・ポルノに見切りをつけて怪奇と幻想のジャンル開拓に足を向けたワン監督の心意気を買いたいと思います。