他人の夢に侵入してサイコセラピーを行う「夢探偵」パプリカ。
圧倒的なビジュアル、ではあります。
ではあるのですが…。
「パプリカ」（2006年／今敏監督）
題材も絵柄もどこかで観たような…。
「ビューティフル・ドリーマー」「アキラ」「イノセンス」「セル」「エヴァ」etc.。
デジャブ満載。
確かに狂ったパレードのイマジネーションは物凄く筒井康隆っぽいです。
原作版「パプリカ」は1993年の発刊ですが、初期の短編「だばだば杉」のように、自分の夢の中の誰か、誰かの夢の中の自分、みたいなテーマは好きな人なので、筒井氏にオリジンがないとは言えません。
ただ、表現としての独創性となると・・・「？」。
では、つまらないのか、と言うとこれが実に魅惑的だったりするから困ってしまいます。
「夢」がテーマなので、他人の夢との接触・侵食・融合・破壊・再生が様々なビジュアルで描かれるのですが、もう確信犯的にセックスのメタファーになってます。
要するに醸し出す雰囲気がもの凄ぉく「やぁらしい」のです。
パプリカの夢を侵食した同僚の小山内が、捕獲したパプリカの下腹部に腕を入れてそのまま内蔵を愛撫するようにペルソナを剥いで行く（なんのこっちゃかよう分からんと思いますが）所とか実に「やぁらしい」のです。
で、パプリカの声が林原さんなものだから、どうしてもレイとゲンドウのあのシーンがデジャブってしまうのですよ（ついでに言えば小山内の中の人は加持さん演った寺山さん）。
他にもいくつか「ツボ」なカットがあったのですが、あれ全部わざと「仕掛けて」るんでしょうねえ・・・。
