犬神家の一族[追悼:市川崑]
市川崑監督がお亡くなりになりました。92歳。
大往生ですね。
角川直撃世代にとって市川崑と言えば、
「犬神家の一族」(1976年)
でしょう。
2006年のセルフ・リメイク版は正直、何がしたいのかよう分かりませんでしたが。
横溝シリーズ以外で印象に残っている作品は、銀残しという手法で撮影した「幸福」(1981年/水谷豊主演)くらい。
あとは、旧文部省とか文化庁とかがお墨付きを出すような(ボンクラ野郎にとっては)ぶっちゃけ退屈な文芸大作を撮る人、「極太明朝体を直角に配するクレジット」という手法において「エヴァンゲリオン」に多大なる影響を与えた人、という認識しかございません。
1950年代~60年代の市川作品に接している人にとっては怒髪衝天な物言いかもしれませんが、ジェネレーション・ギャップということでご容赦ください。
市川監督の横溝シリーズ(「女王蜂」と「八つ墓村」を除く)は、今観ても実に良く出来た構成の「腰の据わった」作品群だと思います。
ベテラン、新人取り混ぜて女優陣の扱いがとてもお上手でした。
「悪魔の手毬歌」の岸惠子とか、「病院坂の首縊りの家」の桜田淳子とか。
特に桜田淳子は久々に見た華のある女優で、これは大化けするかと思ったら壷にはまってとっぴんしゃん・・・。残念です。
「犬神家の一族」はサントラ・レコード(シングル盤だけどね)を初めて買った思い出の作品です。ご冥福をお祈りいたします。