人として懐の深さを試される試金石です。
「0093女王陛下の草刈正雄」
(2007年/篠崎誠監督)
俳優、草刈正雄は実は英国諜報部員だった、という「嘘をつくのも大概にしなさい!」な設定のスパイ・コメディ。
まさか、このタイトルを観て映画的な感動を期待するようなオメデタイ人はいないでしょう。アホは承知、馬鹿で納得、下品で上等な心構えが必要です。
案の定、ギャグはことごとくくだらないです。が、しかし、
1.草刈正雄に華がある
バナナの皮で滑るという、今やチャウ・シンチーくらいしか使わないギャグも草刈正雄だと絵になっちゃうからあら不思議。
2.執拗なリフレイン
レモン汁が目に入るという1回じゃとても笑えないギャグも3回4回と繰り返されると「ツボ」に嵌る事があるからあら不思議。
3.いざとなったら力技
「自力スローモーション」「自力ストップモーション」という役者の実力と根性を示す試練が一種の感動を生んじゃうからあら不思議。
という3つの不思議が、この映画を意外と「観れる」ものにしちゃってます(だからと言ってロードショー料金取られるのは勘弁ですが)。
草刈正雄は確かに二枚目俳優ですが、「プロハンター」観てた人なら彼がコメディ向きなのはご存知のはず。
続編は「草刈正雄は二度死ぬ」らしいのですが、本気か?