たまにはメジャーな作品を。
私の年代だと、「能天気な音楽+複数のボンド=収拾不能」な、あの珍品を思い出してしまうタイトルですが・・・。
「007/カジノ・ロワイヤル」
(2006年/マーティン・キャンベル監督)
特に007シリーズの熱心なファンでもなく、イアン・フレミングの愛読者でもないので、心置きなく言ってしまいますが、すげー面白かったです。
従来の007フリークは、新ボンド役ダニエル・クレイグの気品の無さに文句をつけているようですが、むしろ従来の軟弱路線からの脱却を歓迎します。
元々、敵にトドメを刺さずに背を向けたがために窮地に陥る主人公とか大嫌いなクチなので(あ、もうお前殺されていいや、とか思っちゃいます)、ためらい無しに引き金引く無慈悲なボンドは実に頼もしくかっちょいい殺し屋です。
序盤でヤマカシなんかこの程度とばかりの肉弾追跡劇を演じて、捕獲不能と分かるや丸腰の相手を後ろから射殺して大使館ごと爆破して逃走、いやあ無茶苦…いや最高です。
公費つぎ込んでポーカー賭博ってどうよ?とも思いますが、ダニエル・クレイグがちょっとスティーブ・マックイーン似なので、まあ良しとしましょう(笑)。
本筋終了から最後のエピソードまでの間がちょっと冗長ですが、飽きる事無しの145分でした。
にしても最後の最後にあの台詞を持ってくるとは…。エピソード1に相応しい幕切れです。