押井守の最高傑作は?と聞かれて「天使のたまご」と即答する人と友達になるのはちょっとしたミッション・インポッシブルです(笑)。
CSのチャンネルNECOが、「天使のたまご」を含む押井の初期傑作を連続放送。中でも嬉しかったのが、
「トワイライトQ 迷宮物件 -FILE538-」(1987年/押井守監督)
アニメ版「トワイライト・ゾーン」を狙ったシリーズの2作目。
監督持ち回りで全6作の予定だったのですが、「天使のたまご」に続いて押井が作家性の高い作品を作ってしまったので、ここで打ち止めとなりました。
航空機の失踪が相次ぐ首都上空。見上げる埋立地のボロアパートで暮らす親娘の調査という不可解な依頼を受けた私立探偵の物語・・・なのですが…。
テーマ的にはジェフリー・コンヴィッツの「センチネル」が、オチ的には江戸川乱歩の「人間椅子」が近いような。
押井のトレード・マーク「哲学的長台詞」、パトレイバーシリーズで花開く押井流都市論など、短いながらも「らしさ」が詰まっています。