才能に恵まれながら「ラフマニノフの手」を持ち得なかった老ピアニストと、才能は無かったが「ラフマニノフの手」を持つ男が出会ったら・・・。
「悪魔のワルツ」(1971年/ポール・ウェンドコス監督)
余命いくばくもない老ピアニストは「理想の手」を得るために悪魔と取引をします。
悪魔崇拝という意味では、68年の「ローズマリーの赤ちゃん」のエピゴーネンですが、「よくそんな所に目をつけたな」な着想のせいで二番煎じ感はありません(音楽が「オーメン」のジェリー・ゴールドスミスってのも高級感を煽ってます)。
老ピアニストにクルト・ユルゲンス、ラフマニノフの手を持つ男にアラン・アルダ、そしてその妻にジャクリーン・ビセット。
アラン・アルダが主役かと思いきや、意表をつく行動でジャクリーン・ビセットがラストをかっさらっていきます。女はすげーなあ。
因みにラフマニノフはピアニストの中でも巨大な手の持ち主で、12度の音程を左手で押さえることができたんだそうです。
ついでに原題は「The Mephisto Waltz」(メフィスト・ワルツ)。難曲として知られるリストのピアノ曲です。