デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

全編「間合い」で構成された165分。 ウエスタン

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無骨なまでに簡素な邦題「ウエスタン」も捨て難いですが、この映画に限っては原題(英題)の方がしっくりきます。

ONCE UPON A TIME IN THE WEST

(1968年/セルジオ・レオーネ監督)


昔、西部で・・・。

ヘンリー・フォンダチャールズ・ブロンソンを差し置いてトップ・クレジットを飾るのはクラウディア・カルディナーレ

西部劇でイタリア人女優が堂々の主役。快挙です。

あれ、スローボタン押したっけ?と思うほどのゆっくリズム。そのまま165分。

もう全編「間合い」だけで成り立っているような時間の中に身を委ねると、いっそ「このまま終わらないでくれ」と願うほどの捨て鉢、あいや至福の境地に辿り着けます。

原案にベルナルド・ベルドリッチ&ダリオ・アルジェント。無駄に豪華。

音楽は勿論エンニオ・モリコーネ。凶悪犯罪者シャイアン(ジェイソン・ロバーズ)が実はいい奴なんだよ、というのを登場シーンの音楽だけで見事に表現しています。

※恥ずかしながら、私ずっと本作の邦題を「ウェスタン」だと思っていました。「ウエスタン」が正解のようです。