デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

バナナの皮から始まる不幸の一夜 PTU

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拳銃なくした刑事の受難の一夜。

「PTU」(2003年/ジョニー・トー監督)

PTUはPolice Tactical Unitの略で「香港警察特殊機動部隊」。主な任務は巡回と騒動の鎮圧、要するに警邏です。

良く言えば、拳銃を紛失した組織犯罪課の刑事と彼を助けようと奔走するPTU、その動きを不審に思う特捜課CID、さらに敵対する組の抗争が交錯しつつ収斂していく「スタイリッシュ・ムービー」。

悪く言えば、バナナの皮で滑って気絶している間に拳銃なくしたお間抜けな刑事が、拳銃取り戻そうと焦るあまり余計な事しまくって騒ぎが大きくなり、挙句に死体の山ができる「タチの悪いコメディ」。

演出がやたらクールなので、あ、ひょっとしてこれハードボイルド?な気分になってしまいますが、実に微妙な立ち位置です。

PTUの捜査が、ひたすら殴るとか、とりあえず意識なくなるまで蹴るとか、ロイヤル・ストレート・香港でいい感じ。

白兵戦に突入した瞬間、全員がその立ち位置を決して変えずに逃げも隠れもせずひたすら撃ち合うという「ジョニー・トー型銃撃戦」は今回も健在。

70年代青春ドラマ風BGMがビタ1文画面にフィットしていません(笑)。

※昨日のレビューで「ニコラス・ケイジ」を「ニコラス・ケスジ」と打ってしまいましたが、面白いのでそのままにしときます。