全国の中学校3年生の中から選ばれた1クラスに、コンピュータ管理された脱出不可能な無人島で、制限時間の3日の間に最後の一人になるまで殺し合わせる…。
「“互いに見知った者同士による殺し合い”という状況を見せつけることで国民の間に相互不信をもたらして、反政府勢力の結集による革命を防ぐ」という原作の設定を「子供に対する恐怖支配で大人の権威を復活させる」に大胆修正。
世界観の根幹を揺るがす大改竄ですが、これはこれで血が滾ります。
(2000年/深作欣二監督)
どこがいいって、教師キタノが「私語してんじゃねえ!」の叫びと共に女生徒を投げナイフで殺した後のパニック・シーン。
恐慌状態になって騒ぎ出す生徒らにアーミーが威嚇射撃、泣き叫ぶ生徒を満足そうに眺めるキタノの周りをカメラが旋回するシーン、何度観てもアドレナリンが逆流します。
圧倒的な権力に守られた中で振るう暴力の何と心地良い事。
「伊藤さん、そこって後半の生徒反撃のカタルシスを高めるために気持ちを溜めておく所じゃないんすか?」
え?そうなの? あたしゃてっきり溜飲を下げるシーンなのかと…。
ま、楽しみ方は人それぞれ。
この時の柴崎コウ(女子11番・相馬光子)は本当に素晴らしくて、すげー女が出てきたなあと思ったのに、まさかこんな大根(以下略)。
台詞もモノローグも拒否した安藤政信(男子6番・桐山和雄)は「分かって」ますね。
2001年に「特別編」が公開されましたが、追撮シーンは正直蛇足(特に光子の幼少時代)でした。観るなら「オリジナル版」をお薦めします。