「バニシング・ポイント」「ダーティメリー/クレイジーラリー」と並んでタランティーノが「デス・プルーフ」でオマージュを捧げたトラック・アクション映画・・・なのですが、今観るとストレス溜まるなあ。
「爆走トラック‘76」(1975年/ジョナサン・カプラン監督)
不正に背を向けた若きトラック運転手(ジャン・マイケル・ビッグウェンズデー・ビンセント)に理不尽な暴力が降り注ぐ。
搾取されるトラッカーという意味では「フィスト」のようでもあり、家族巻き添えという意味では「マッドマックス」のようでもあり、弾幕かい潜っての敵中横断のシーンは「ガントレット」のようでもあります・・・が。
これらの映画にあった「カタルシス」がビタ一文ありません。
会社側は警察も検事も抱き込んで人ばんばか殺してるのに、運ちゃん達は徒党を組んでも徒手空拳。暴力のバランスがとれていません。
挙句に奥さん、あんな事になっちゃうし。労働者の英雄になったくらいじゃ割り合わねぇよなあ。
まあ、肉値下げしないからって肉屋ミンチにしちゃう「エクスターミネーター」みたいな奴もどうかと思いますが、ガンジーじゃないんだし。
「博士の異常な愛情」でテンガロンハット振りながらソ連に特攻したスリム・ピケンズや「血のバケツ」で死体の粘土固め作ってたディック・ミラーとかが出てたのは嬉しかったですが。
気の短い人、復讐は倍返しとか思っている人には不向きかも。