デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

デモに実弾、殺しに叙勲。 ブラディ・サンデー

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神無き国から眺むれば「どっちも同じキリスト教」なのですが・・・。

「ブラディ・サンデー」(2002年/ポール・グリーングラス監督)

1972年1月30日、日曜日。北アイルランドのデリー。

差別撤廃を求めるデモ行進をイギリス軍が武力制圧(市民に実弾発砲)して十三人の死者を出した「血の日曜日」。

この惨劇を徹底したドキュメンタリー・タッチで再現しています。

立場を確認しておくと、北アイルランドカトリック、イギリスがプロテスタントです。

何で北アイルランドにイギリス軍が?と思うかもしれませんが、英国の正式名称は「United Kingdom Of Great Britain And Northern Ireland」。

ブリテンにはスコットランドウェールズを含むので、「イギリス、スコットランドウェールズ北アイルランド連合王国」って事です。

以前勤めていた会社が生意気にもインターナショナルな組織で、日本で国際会議なるものが開催されたことがありました。

参加者は国名の名札をつけるのですが、「England」という表記にクレームが。

「俺はスコッツ、こいつはウェールズだ。断じてイングランドではない!」

この時は「U.K.」で勘弁してもらいましたが、もし相手が北アイルランド人だったら「クレーム」では済まなかったかもしれません(大汗)。

事件の顛末ですが、軍は事実を隠蔽。処罰者ゼロ。発砲した兵士は女王から叙勲されたそうです(あーあ)。

エンディングは勿論、U2の「あの曲」(※写真は実際のデモ行進)。