先月はテレビ屋と広告屋が作った細菌ごっこ(スイーツ・ホイホイと命名)に対するプロテストとして感染カルト映画を集中的にレビューしましたが、大トリはこれ。
「ラビッド」
(1977年/デビッド・クローネンバーグ監督)
バイクで事故ったお姉ちゃん(「グリーン・ドア」のマリリン・チェンバース様だ!)に実験的な皮膚移植をしたら、モントリオールが壊滅する大惨事に!
一応、中性化された皮膚の移植には腫瘍発生の危険性がある、というとってつけたような前フリはあります。ありますが・・・。
腋の下にマ●コのような割れ目が出来て、そこからチ●コのような突起物が出て、そいつが人の血を吸って、さらに吸われた奴が狂犬病になって人を襲い、噛まれた奴も狂犬病に・・・という設定と展開にビタ一文説得力がありません(笑)。
RABIDには“狂犬病になった”というストレートな意味もありますが、“凶暴な”という意味もあり、RAGEの親戚筋に当ります(国によってはレイジというタイトルで公開)。
ロンドンがレイジ・ウィルスで壊滅する「28日後」の25年前の前日談(ええい、ややこしい!)な感じですね。
淡々と救いの無い話が進んでいく展開は、ロメロの「クレイジーズ」と双璧。
あと、必ずこの映画のメイン・ビジュアルとして使われる“冷蔵庫で凍ってる女の子”(※写真)、あれ単なる通りすがりの被害者なんですけど・・・。