デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

死神が来た! ノーカントリー

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難しいなあ、こういうの。

神話的であるのは分かりますが、なんか「賞狙い」な感じがして。

 

ノーカントリー

(2007年/ジョエル&イーサン・コーエン監督)


アカデミー作品・監督・脚色・助演男優賞受賞。「ちょっと勇気がないと貶せない」映画です。

勇気がないので(笑)、作品・監督・脚色はちょっと忘れて助演男優ハビエム・バルデムについて(いいじゃないか、逃げたって)。

80年代。メキシコ国境近くのテキサス。ハビエムの役どころは、麻薬取引の金をガメた男モス(ジョシュ・ブローリン)を執拗に追う殺し屋アントン・シガー(写真)。

得物は圧搾空気。銃弾無しで相手を殺すエコな奴。

冷静沈着に見えて(いや実際冷静沈着なのですが)、明らかに殺さなくていい人までしゅっぱしゅっぱと「堵殺」する死神です。

銃弾受けても余裕で入浴、銃創も自分で縫って、骨が見えても無問題。

ランボーターミネーターと言うよりは、マイケルとかジェイソンに近いです。

チャーム・ポイントはつぶらな瞳とおかっぱ頭。追いかけられたくない男No.1。

作品的にひとつ不満だったのは、ウディ・ハレルソンの出番が少ないこと。

明らかに「突破口」のモリー(ジョー・ドン・ベーカー)を意識していると思うのですが、あっさり消えすぎ。

モリーよりシガーの方が格上ということを示したい監督の作為かもしれません。

※ご参考:「ノーカントリーの元ネタ? 突破口!」
      →2009年5月15日