デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

モノレールが気になって仕方ない。 華氏451

イメージ 1

 
翻訳本って(どう頑張っても日本語本来のリズムにならないので)滅多に読まないのですが、1冊衝動買いしてしまいました。しかも幻想文学

「塵よりよみがえり」(レイ・ブラッドベリ著)

《ひいが千回つくおばあちゃん》とか《心を自由に飛ばす少女》とかのキャラクターが面白そうでつい。

で、ブラッドベリ原作の映画と言えば、

「華氏451」(1966年/フランソワ・トリュフォー監督)

本(と言うか活字)が反社会的・非人間的なものとして禁止されている近(いや遠だな)未来。

主人公モンターグは消防士。消防署の仕事は消火ではなく焚書。つまり押収した本を焼く事。文字通りFirehouse。

文字が禁止されている世界の話なので、オープニング・クレジットは存在しません。タイトル、スタッフ、キャスト全てナレーションで紹介。異様です。

で、何が気になったってモノレールですよ。この吊り下げ型モノレール、なんと床部分が開いて階段になり、そこから乗り降りするんです(扉はダミーかい!)。

セットとは思えないし、CGの時代でもありません。

どうやらコレ、実験線らしいのです(映画の設定上の話じゃなくて実際に)。

恐らく始点終点のみで「途中駅」という物が存在しないのでしょう。

もし途中乗降が必要になった場合、地面から直接乗降するしかありません。そのための装置が「底面開閉型階段」だったのではないかと。

うまい利用を考えたものです。異世界な感じが良く出ておりました。

余談ですが、この映画のDVD、ブラッドベリのインタビューやらメイキングやら豪華特典付きなのですが、なななんと字幕無し。ヒッチコックへのオマージュとか結構重要な事言ってるのですが・・・うーん、分からねえ。

ユニバーサル・・もぅちっとやる気出してくれよ(本編に倣って文字を禁じた訳でもないだろ)。