♪白い歯ってい・い・な! デッドリー・スポーン
演出ゆるゆる、カットだらだら、それなのに観終った感想は「なんて素ん晴らしい映画なんだ!」
「デッドリー・スポーン」(1983年/ダグラス・マッケオン監督)
スタッフ・キャストは友人知人かき集め。関係者ほぼ全員が代表作はおろか生涯関わった映画がこれ一本という“人生の思い出”映画。
素人に毛の生えた連中の映画が四半世紀を経て未だに語り継がれるのはひとえにモンスターデザインの秀逸さでしょう。
隕石に乗って飛来した“動くものなら何でも喰う”宇宙生命体。からだ全体が口、歯並び悪いが好き嫌い無し。三つ首の成体だけかと思ったら、幼生うじゃうじゃ。
「エイリアン」の影響モロ被りですが、田舎で篭城という基本フォーマットは後の「トレマーズ」、「フィースト」の原点(勿論、大元は「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」ですが)。
出演者全員素人(ってか近所の人だろ)なので、誰が生き残るのか分かりません(伯母さん役の女性がダリオ・アルジェントに似てるのは偶然か?)。
科学者志望の兄が屁の役にも立たず、頼りになるのはホラーオタクの弟という設定もナイス。
モンスター物の定石“最期のぶちかまし”もイタチの最期っ屁的ヤケクソ大風呂敷。
こんなビデオバブル期の徒花映画を特典満載の“Collector’s Edition”DVDにしたキングレコードを心から尊敬します(山口雄大&井口昇の音声解説は必聴!)。
※参考:「トレマーズ4」→2008年6月5日
「手に汗握らない心地良さ。 トレマーズ」→2008年7月20日
「俺は救世主だ!お前らを助けてうぎゃあ! フィースト」→2008年9月2日