デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

このパッチワークはもはや芸術。 ブルース・リー/死亡の塔

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使えるネタは何でも使う。何度でも使う。見事です。これぞ匠の編集技術。

 

ブルース・リー/死亡の塔」

(1980年/ウー・スー・ユエン監督)


燃えよドラゴン」の未公開フィルム(と言ってもアクションシーンではなく、恩師である高僧との会話シーン)筆頭に、どこかで見たようなカットを繋げる繋げる。

それだけでは飽き足らず(尺足らず?)、子役時代の映像まで引っ張り出してます(ある意味、貴重映像)。

武道仲間の馳浩、じゃなくてウォン・チェン・リーが謎の死を遂げ、不審に思ったビリー(英語版のブルース・リーの役名。無理矢理「死亡遊戯」と同一人物にしてます)が調査に乗り出しますが、何故か行った先は東京・銀座

ネオン街を歩くカンフー着の男・・すげー変

で、全く理解不能な陰謀に巻き込まれて何と30分でビリー死亡(ここまでもあらかた吹き替えですが。当然葬儀のニュースフィルム流用)。

ここから弟(タン・ロン。「死亡遊戯」でリーの吹き替えやった人。華がないにも程がある)が、兄の死の真相を探りに日本へ。

鍵を握る武道家が孔雀やライオンを放し飼いにしている、というシーンがあるのですが、どう見てもサファリパーク。

タイトルになっている死亡の塔は「塔」なのに地下施設。まんまショッカーの秘密基地。戦闘員やら幹部やら出てきて「えっと俺今なに見てるんだっけ? 仮面ライダージークンドー?」な不思議時空。

結局、リー本人のアクションはびた一文出てこないという「花園神社の見世物小屋」みたいな映画なのですが、アクション自体は結構良い出来だと思います。

山よりも高く海よりも広い「寛容の心」で見れば必ず楽しめます。