デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

予算じゃない。心意気だ。 実録 新選組[完結編]

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『いつだ? いつからお前と山南さんの想いが喰い違った?!』

『俺たち、と山南さんですよ、近藤さん』

『…新選組万歳』

嗚呼、やっぱり山南敬助切腹シーンは泣けますね。

 

「実録 新選組[完結編]」(2006年/辻裕之監督)


完結編は、伊東甲子太郎(松田優)の参入から山南敬助中野英雄)の切腹竜馬暗殺、伊東一派のクーデター粛清から大政奉還、そしてメンバー個々の最期まで。

一応、話としては、鳥羽・伏見の戦い、流山での捕縛から五稜郭まで網羅しておりますが、予算が底をついた(若しくはハナっから予算計上していなかった)ためか、伊東一派粛清の後は、森羅万象のナレーションで端折る端折る。

五稜郭に至っては、バルサンとアースレッドを抱き合わせたようなスモークの中で土方(寺島進)が一人芝居という脳内補完記号演出。

しかしこれがまたVシネ・オールスター映画の幕切れとして実に相応しい締めくくりのようで色んな意味で感無量(褒めてます)。

新選組になんか入るんじゃなかった!』藤堂平助小沢和義助演男優賞!)
『すまぬ、近藤。狂えぬ俺を・・許せ』松平容保遠藤憲一
『俺は、俺より強い奴に斬られて死ぬんだ!』沖田総司大沢樹生

『すまない、歳。本当に地獄の底までつき合わせちまった』(近藤勇/小沢仁志)
『何言ってんだ近藤さん、俺は楽しかったぜ。何の悔いもない』(土方歳三寺島進
『俺もだ。新選組・・万歳』

血糊飛び、男汁溢れ、その男海の中で幾多の屍に支えられて浮かぶのが「新選組」。断じて“まったり青春グラフィティ”などではありません。