デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

Vシネ男汁祭り! 実録 新選組[前編]

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『芹沢、承知した。必ず大名になってやる。だから・・成仏してくれ』


三谷&香取の幕末青春グラフィティ「新選組!」(NHK)は、大河ファン・新選組マニア双方から賛否ぐるぐるでしたが、こういうアンチテーゼな作品を産み落とす動機のひとつになったと思えば、それなりに価値ある一編ではあったかもしれません。

 

「実録 新選組(2003年/辻裕之監督)


実年齢がどうだろうが、この題材につんつる醤油顔のガキンチョの出番なんかある訳ねぇだろ!な「キャスティング命」な配役が素敵。

小沢仁志(近藤勇)、寺島進土方歳三)、白竜(芹沢鴨)、沢村樹生(沖田総司)、中野英雄山南敬助)、更に、哀川翔坂本竜馬)、中山一也(IZO!)、遠藤憲一松平容保)。

どうですか、お客さん。まさにVシネオールスター、秋の大殺傷祭。時代劇かヤクザ物か区別がつきません。

まぁ実際、幕府という組の松平組長の下に集まった“はみ出し者”が敵対する長州組と抗争を繰り広げながら、血で血を洗う内部抗争を展開する「仁義なき戦い」なので、人選としてはベストなのかもしれません。

『俺はなあ、尊皇攘夷なんか興味ねえんだよ。俺はただ、近藤勇を日本一の武士にしたい!ただそれだけだ』(土方)

男汁5割り増しの面子ですが、お話は意外にも直球ストレートな王道展開。

浅葱のだんだら着てないとかカラーリングがおかしい所もありますが、ほぼ伝えられる史実通りのようです。

本編は壬生浪士組の結成から、芹沢暗殺を経て池田屋事件まで。勿論、池田屋の玄関正面にでっかい階段など無く、細い階段・狭い廊下を斬り進むリアル襲撃。

どこかで何度も見たストーリーですが、つい観てしまうのは配役の妙(音楽を全部「仁義なき戦い」に差し替えたら死ぬほど盛り上がると思います)。

一気に話が暗くなる後年のお話は「完結編」で。