デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

「親父、いつもの奴」「セガール定食一丁!」 グリマーマン

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チベット仏教のアクセサリーを身に付け、中国語・ロシアを解し、漢方に詳しく、合気道の達人にして元特殊工作員の刑事・・・ご存知スティーヴン・セガール親父の登場です。

グリマーマン(1996年/ジョン・グレイ監督)

日本人の耳には実にお間抜けに響くタイトルですが、「電撃」「奪還」「撃鉄」「雷神」「弾突」「斬撃」に比べれば、タイトルと内容が紐付けできます。

※この漢字二文字シリーズの内容の違いを即座に言い当てられる人がいたらお目にかかりたいものです(友達にはなれないと思いますが)。

「セブン」の影響受けまくりな猟奇殺人事件で幕を開けますが、サイコ・サスペンスにしてしまうと、セガール親父のアクション出す必然性がなくなる(いやそれ以上に脚本の酷さがバレる)ので早々に試合放棄。

んー、まぁ何となく雰囲気は出ただろ。犯人なんかどうでもいいからアクション、アクション!って感じで、いつものセガール映画に無事着地。

相棒の黒人刑事は、「鹿のペニスの粉末?ふざけるな!」とか言いながら後日こっそり箱買いしたり、「泣く映画なんか観ねぇ!」と言いつつ「カサブランカ」観て号泣している“いい奴”です。

残念なのは、セガールの仏教趣味も相棒の漢方も「カサブランカ」も、その場限りで、なぁんの伏線にもなっていないという事でしょうか。

ただ、セガール親父の三無主義(無茶無謀無敵←今勝手に命名)は健在なので、ひたすら強いヒーローを観て溜飲下げたい時にはうってつけの映画ではあります。