『凄い!レーザー・ディスクみたい!』
近未来にLDが消えてなくなっている事は予見できなかったか。ぬかったなスタローン。
「デモリションマン」
(1993年/マルコ・ブランビア監督)
1996年、壊し屋の異名をとるスパルタン刑事(S・スタローン)は、イカレた凶悪犯フェニックス(W・スナイブス)を逮捕しますが、人質30人を救えなかった責任をとらされ二人揃って冷凍刑務所へ。
36年後、フェニックスが脱獄。しかし、たった36年でアメリカは、暴力もセックスもクスリも煙草も塩分も汚い言葉も禁止のおとぼけユートピアに大変身。
警察は音声マニュアルに頼らなければ逮捕の口上ひとつ言えない腑抜け揃い。しかたなく、過去の遺物スパルタンを追手として解凍するのですが・・(「オースティン・パワーズ」の基本設定はこれのパロディですね)。
で、ここから先は御清潔な未来世界に戸惑うスタローンというカルチャー・ギャップ・アクション・コメディ(ええ?)。
出来損ないの「ニューヨーク1997」を期待していたので意外な展開!
相棒は20世紀マニアの女警官サンドラ・ブロック(「スピード」前年でブレイク直前)。
星新一が風刺で描くような未来世界がすっとこどっこいで愉快。そこに大藪春彦なスタローンが乱入、筒井康隆的ハチャハチャワールドに。
スナイブスの狂った役作りがナイス・アシスト。貶そうと思えば燃料満載ですが、妙な味わいの「SF」として愉しむが吉でしょう。