今やガン=カタを武器にゴッサム・シティを守りつつ、人類の未来を切り開く多忙な身になったクリスチャン・ベイルですが、昔はただの人殺しヤッピーでした。
80年代バブル期の「どう見ても仕事しているとは思えないのに、何故か金がわんさか入ってきて放蕩の限りを尽くしているアホタレヤッピー」を風刺した問題作です。
主人公パトリック(クリスチャン・ベイル)はセックスしている時も鏡に映る自分の肉体に見とれてマッチョなポーズを決めてしまうという、超脳タリンヤッピー(一応副社長)。
一人の時は「悪魔のいけにえ」観ながら腹筋運動に余念無し(笑)。
こいつの中に広がる深い闇・・は置いといて。
私のお気に入りは、ヤッピー仲間が自分の名刺の出来栄えを自慢するシーン。
パトリックも自信満々に披露しますが、仲間の方が出来が良くて大ショック。
『なんてこった。エッグシェル地にロマリアン・タイプ。本当に素晴らしい。こんな間抜けが何故このような上品な名刺を。信じられない。浮きあがった文字、くすんだ雨雲のような白。感動的だ。ううむ、ポール・アランの名刺はどうだ・・この微かに灰色がかった白を見ろ。厚みも上品だ・・嗚呼、透かしまで入っているじゃないか。一体何が悪かったんだ、パトリック!』
以上、パトリックの心の叫び ←スクリプトを適当に訳してます。
素晴らしい。名刺ひとつでこの動転ぶり。印刷業務に関わった人間なら爆笑必至。
ブラック・コメディが徐々に破綻して「虚無感」に包まれていくラストも秀逸です。