デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

相棒は生首。究極のバディ・ムービー。 ガルシアの首

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例えば「ゲッタウェイ」のような終り方だって出来たでしょう。

彼女と二人、大金せしめて見知らぬ土地へ・・。

勿論、そんな事にはなりません。なぜなら主役がスティーブ・マックイーンではなく、ウォーレン・オーツだからです。

 

ガルシアの首
(1974年/サム・ペキンパー監督)


メキシコ。観光客相手のバーのしがないピアノ弾きベニー(ウォーレン・オーツ)は、馴染客アルフレッド・ガルシアの首に懸賞金が掛かっている事を知ります。

そして当の本人はつい最近、事故で死んだという事も(ついでに自分の彼女とデキていたという事も)。

アルは俺が殺した事にすればいい。首を証拠品に差し出して、大金をせしめよう・・。

奴の故郷に行って、墓を暴いて首を斬る・・簡単なことじゃないか。その金で彼女と二人、見知らぬ土地に行ってやり直そう。

しかし、人生リセット計画は大失敗。生首の争奪戦でそこかしこに死体の山。

生首になったとは言え、かつては同じ女を愛した男。屈折した奇妙な友情。腐乱した生首抱えてベニーはカタをつけに行きます。

“OK,AL. LET’S GO!”


もし、アルが口をきけたなら、きっとこう言ったでしょう。

“WHY NOT.”


要所要所でペキンパー得意のスローが冴え渡る究極のバディ・ムービーです。