邦画界の歩く治外法権として「何をしても許される」破綻のライセンスを持つ男が、ゲームの世界を無理矢理実写化。
組長のタマ殺った伝説の極道、桐生一馬(北村一輝)が10年の刑を終えて神室町(歌舞伎町ですね)に帰ってきた・・。
~序章~で同役を演じた船木には申し訳ないですが、やはり北村一輝には艶があります。
原作ゲームは未プレイなのですが、複数の話が同時進行する脚本は正直稚拙。まとまりのねぇシナリオだなぁと思っていたら案の定、「少林少女」の十川誠志。序章から引き続きNAKA雅MURAで良かったのに・・。
しかし、これを補って余りあるのが、出演陣の半端無い怪演と監督の無茶ぶりな演出。
目出し帽で顔隠しているのに、喋った瞬間誰だか分かる遠藤憲一(←間抜けな銀行強盗)。
哀川翔、田口トモロヲ、松重豊といったいつもの面々に、荒川良々も加わり怪優無法地帯。
そして何と言っても真下吾朗役の岸谷五郎!! 滅茶苦茶です!! とても「新・仁義の墓場」と同一人物とは思えません。
金属バット片手に「桐生ちゃん!」と現れては死体の山を築く「治安って何?」な大怪獣。
ゼナのCMノリのヤクザ。倒れたかと思わせて倒れず、改心したかと思わせて改心せず、諦めたかと思わせて諦めず、死んだかと思わせて死なない。
ドリンク剤一本で体力完全復活とか、ゲームの世界なら当然ですが、現実社会では有り得ない法則の数々を当たり前のように導入しているのも監督らしい。
真面目に観ちゃうと人によっては相当腹立つでしょうね(笑)。
唯一リアルを感じたのは、コン・ユ演じる韓国の暗殺者・朴。銃器持つ姿が妙に自然。
サファリパークで放し飼いの野獣を眺める気分でどうぞ。