『なあ、ショーン、もっかいジェームス・ボンド演ってくれよ』
『二度とやるもんか(Never Again)!』
『あらあら、折角お仕事のお話を持ってきてくださったのに、そんな言い方して。二度とやらないなんて二度と言ってはいけませんよ(Never Say Never Again)』
正直、ストーリーなんて全く憶えていないのですが、(真偽の程はさておき)このやりとりのお洒落感と、それをそのままタイトルにしちゃうセンスの良さに座布団1枚です。
「ネバーセイ・ネバーアゲイン」
(1983年/アービン・カーシュナー監督)
12年ぶりにショーン・コネリーがジェームス・ボンドに復帰した話題作。
と言っても版権等オトナの事情で正規品を名乗れないので、タイトルに007は付けられず、ジェームス・ボンドのテーマも使えず(本作の音楽はミシェル・ルグラン)という猪木-アリ戦並みのハンデキャップ・マッチ。
でも、画面に現れるだけで、有無を言わさず007ワールドにしちゃう辺り、流石初代の貫禄です。
アービン・カーシュナーは「帝国の逆襲」「ロボコップ2」など“続編なら俺に任せろ”な職人監督。
キム・ベイシンガー、バーバラ・カレラ、マックス・フォン・シドーなど共演も通好み。
「サンダーボール作戦」をベースにした脚本は実に大味なのですが、一杯イッパイで妙に切羽詰っているクレイグ・ボンドにはない“大人の余裕”を感じる事ができました。
「ロッキー」や「ランボー」みたいに幕引きボンド作ってくれませんかね。