デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

彼岸へ手招く少女の微笑。 ツィゴイネルワイゼン

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『約束どおり、おじさんのお船を頂戴。おとうさんは元気よ。おじさんこそ自分が生きていると勘違いしてるんじゃないの。さあ、行きましょう』

その足跡には六文銭

“生きている人は死んでいて、死んだ人こそ生きているような。むかし、男の傍には、そこはかとない女の匂いがあった。 男には色気があった”

原田芳雄大谷直子藤田敏八大楠道代・・熟れ熟れの色気が百花繚乱。

 

ツィゴイネルワイゼン
(1980年/鈴木清順監督)


、格子。夢と現とあの世とこの世。時間からも距離からも解放された極彩色の清順美学。

ドーム型移動映画館「シネマ・プラセット」での上映が話題でしたが、私が観たのは有楽シネマ。1回くらい行っておけばよかったな。

役者としてぴたりと嵌った藤田監督にも驚きましたが、大谷直子が素晴らしすぎ。両乳出して頭上でぱちりと指を鳴らすカットの摩訶不思議さったら。

脚本は田中陽造。元ネタは内田百閒の「サラサーテの盤」。

『ん? 君、今何か言ったかい?』

サラサーテが喋ったんだよ』

キネマ旬報ベストテン第1位。ベルリン国際映画祭審査員特別賞(鈴木清順)受賞。