デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

廃墟っていいなあ。 ファンタズムⅢ

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「見たもの全てを信じるな。見るのは簡単だが理解するには時間がかかる」

えっと、それってこのシリーズの出来に関する“言い訳”でしょうか。

「ファンタズムⅢ」
(1993年/ドン・コスカレリ監督)


ビデオ・ジャケットのコピーは“伝説のホラー3部作、ここに永久完結”。

大嘘つきです。

前作で「彼女を助けなければ」と、マイクとレジーが必死こいて守ったエリザベスはいきなり徘徊者(小人ね)に喰われてご臨終(「エイリアン3」みたいだ)。

代わりに、拳銃使いのガキ、ティムとヌンチャク使いの女兵士ロッキーが合流。

更に死んだ兄ジョディが銀球(スフィア)となって復活。夢に現れたりテレパシー使ったり、ルークを守るオビ・ワン・ケノビのような大活躍。

トールマンが通った跡はペンペン草一本生えないゴースト・タウン。この廃墟ぶりは実にいい感じ(いいよね、廃墟・・)。

3作目はこれまでのネタ明かし的要素が強いのですが、例によって“辻褄って何?”な展開なので、混乱に混沌を上塗り。

最後はティムがトールマンに囚われて終わりますが、これのどこが“永久完結”なんだい、徳間ジャパン?

当然「Ⅳ」が出来る訳ですが、話は「Ⅲ」から繋がっているにも関わらず、“ティム?そんな奴いたっけ?”な扱いになっています(つまり全く言及されない)。

女戦士ロッキーも続投の可能性を残しているのにまるっとパージ。

もう兎に角あらゆる設定を「御破算」「無し」「忘れた」で誤魔化し続ける無敵のシリーズです。

※関連:「ファンタズム」→2008年1月24日
    「悪夢の御伽噺の裏話。ファンタズム(の音声解説)」→2009年3月6日
    「最早前衛? ファンタズムⅡ」→2009年7月27日