デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

製作意図を気にしない自分が怖い。 特攻サンダーボルト作戦

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ちいっと前に「あさま山荘事件を警察目線で語るって、なんじゃそりゃ」ってな事を書きましたが、んじゃ「エンテベ空港事件をイスラエル目線で語る」ってのはアリなのか?

なんて事を考えていたら2時間4分があっという間に経ってしまいました。

 

「特攻サンダーボルト作戦」
(1976年/アーヴィン・カーシュナー監督)


製作は76年ですが、日本公開は87年(寝かせる事11年!)。

事件直後にオールスターキャストの超やっつけ仕事エンテベの勝利」が製作&公開されてメタコケ。

一時はエンテベ急襲」のタイトルで公開待機するも陽の目見ず(ロードショー誌の裏表紙にこのタイトルで広告が出ていました)。

次に「サンダーボルトGO!」と改題されましたが、されただけで終了。で、11年後ようやっと「特攻サンダーボルト作戦」で公開。実に不幸な出世魚です。

PFLP-EO(パレスチナ解放人民戦線の分派)と西ドイツのテログループ、革命細胞がエール・フランス機139便をハイジャック。

乗客248人+乗務員12名を人質にしてウガンダエンテベ空港を占拠、服役中のテロリスト40名の釈放を要求。

何かしないと面子が立たぬと意地を張るフランス。この機に国際的英雄になろうとするウガンダの「困ったちゃん」イディ・アミン・ダダ

テロリスト、アミン、フランス、イスラエルの思惑が絡みまくりも揉めまくり。

結局、イスラエル特殊部隊が強行突入。そのコードネームが“サンダーボルト作戦”。

イスラエルのラビン首相にピーター・フィンチ、退役軍人バー・レフ将軍にマーティン・バルサム、突入部隊指揮官にチャールズ・ブロンソン、狙撃手に若き日のジェームズ・ウッズ、そしてアミン大統領にヤフェット・コットーという激渋燻し銀キャスト。

もともとTVMだったようで、ケレンを排した淡々口調がドキュメンタリーっぽさを醸し出しています。

全編に「親ユダヤ・反アラブ」思想が漂っておりますが、実の所、「あさま山荘」に比べたら全く気にならず、逆に気にしない自分ってどうよ?と自問する羽目に・・。

これテレビ放送された時、固有名詞全部差し替えて「架空の話」にしちゃったそうです。

無茶するなあ・・・。