『パリで無茶は許さんぞ』
『必要ならエッフェル塔も壊す』
多分壊すでしょう、この人なら。
「96時間」(2008年/ピエール・モレル監督)
最愛溺愛の一人娘が旅行先で人身売買組織に拉致された! 統計上、事件発生から96時間を経過すると、奪回は不可能。オヤジどうする?
どうするもこうするもありません。このオヤジ(リーアム・ニーソン)、見てくれはヌボーっとしたおっさんですが、実は元秘密工作員(ついでに元ダークマン、元ジェダイ)。
携帯で拉致されかけている娘から(数秒の間に)犯人に関する情報を聞き出し、犯人の声を録音し、声紋を調べ、分かれた妻の再婚相手(大金持ち)のプライベートジェットでパリへ。
ここからは怒涛。疾風。しかも情け無し、躊躇無し、邪魔する奴は皆殺し。
私、プロのくせに素人みたいなヘマして窮地に陥る主人公って大っ嫌いなんです。
相手にトドメ刺さずに背を向けて襲われるとかね。その瞬間、あ、もうお前死んでいい、と。
逆に圧倒的に有利な状況に調子こいてる相手を、余裕で始末しちゃうシーンとかは大好きで。「コマンドー」でシュワが娘誘拐した一味のスポークスマンを「お前は最後に殺してやると言ったが・・嘘だ」の一言で崖から放り投げるところとか。
その点、この映画は合格。もう小気味いいくらい非情(時に非道)。
娘奪回という目的の前ではあらゆる行為が正当化されるのです(笑)。
脚本はリュック・ベッソンとロバート・マーク・ケイメン(「ベストキッド」シリーズとか「トランスポーター」シリーズ書いた人)。
シュワやセガールのような“視覚的説得力”が無い分、無茶さ加減がリアルです。
★ご参考