キャスリン・ビグロー監督が、女性初のアカデミー監督賞(ついでに作品賞その他全6部門)を受賞いたしました。おめでとうございます。
正直、「ハートロッカー」が圧勝した事よりも、「アバター」が惨敗した事の方が嬉しいのですが・・記念して初期監督作品を。
「ブルースチール」
(1990年/キャスリン・ビグロー監督)
キャッチ・コピーは、“「ダーティハリー」を卒業したら――みていいよ”
大きく出たなベストロン。
スチール・ブルー仕上げのS&W38口径をねっちり舐めあげるタイトル・バックがとってもフェティッシュ。
新人警官メーガン(ジェイミー・リー・カーチス)は勤務初日にスーパー強盗に遭遇(犯人は売れない頃のトム・サイズモア)。
レジの金目当てのチンピラが44を持っているのは如何なものかと思いますが、メーガンはこいつを豪快に射殺。
凛々しい婦人警官と蜂の巣犯人。この衝撃映像と目の前に転がってきた44が偶然居合わせたエリート・ビジネスマン(ロン・シルバー)のサイコ魂を解き放つ。
妖刀に魅入られて辻斬りを繰り返す侍の如く、無差別殺人を繰り返すシルバー。
シルバーは早い時期にカーチスに正体を晒してしまうのですが、中盤の山場というものが無いので、なかなか逮捕できないもどかしさばかりが募ります(署内で彼女が孤立無援という状況が、このイライラに拍車をかけます)。
“リボルバーの弾は6発しか出ない”という当たり前の事をきっちり描いている所は高く評価しますが、102分引っ張るにはネタ不足。
実はジェイミー・リー・カーチスを美人だと思ったことは一度もないのですが、本作はギリギリ“クール・ビューティー”の範疇に入っていると思います。